SpaceX上場が株式市場を揺らす!超大型IPOと円安160円の行方【2026年6月4日放送】


2026年6月4日放送|ラジオNIKKEI「ファイナンシャル・ジャーニー」番組要約

ドル円が一時160円台を突破し、介入前水準に逆戻りするなか、来週6月12日にはSpaceXのナスダック上場が迫っている。推定時価総額は最大2兆ドル——これはイーライリリーやウォルマートに匹敵する超大型案件だ。この放送では、「超大型IPOが市場にもたらす光と影」と「円安160円時代の為替戦略」という2大テーマを第一線のプロが徹底解説。激動の相場を生き抜くためのヒントがここに詰まっている。


ヴェストラ

SpaceX上場したら、どれくらいなるんだろ?

番組概要

  • 番組名:投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」
  • 放送日:2026年6月4日(木)
  • 提供:フィリップ証券(ユアパートナー・イン・ファイナンス)
  • パーソナリティ:浜田 節子 氏
  • コメンテーター
    • 笹木 和弘 氏(フィリップ証券 リサーチ部長)/テーマ:アメリカ超大型IPOの株式市場への影響
    • 山中 康司 氏(アセンダント 取締役)/テーマ:足元の為替市場動向

目次

【前半テーマ】アメリカ超大型IPOが株式市場に与える影響

SpaceX、OpenAI、Anthropic——史上最大級のIPOラッシュが始まる

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXのナスダック上場日が6月12日に迫り、市場の関心が急上昇している。新規上場時の推定時価総額は最大2兆ドルとも試算され、日本の個人投資家向けにも最大約3,200億円の株式募集が実施される見通しだ。

さらにOpenAIやAnthropicも非公式ながらIPO準備を進めており、それぞれの想定時価総額は1兆ドル規模とされる。これほどの規模が一気に市場に出てくるのは、史上初めてのことといっても過言ではない。

笹木氏は冒頭、このIPOラッシュの恩恵について次のように整理した。

笹木:「IPOで調達した資金は設備投資やM&Aに充当されることが想定されます。取引先や同業他社を含めた関連企業が恩恵を受けるでしょう。SpaceXはAI開発を手掛けるxAIを今年2月に完全子会社化しており、AI関連の色彩も非常に強い。OpenAIやAnthropicも含め、AI半導体・サーバー・データセンターといったセクターへの追い風が続くと考えられます」

懸念点①:インデックス採用ルール変更が生む「強制売却」リスク

ここで見落とせないのが、主要株価指数の採用条件の変更だ。

NASDAQ 100は従来、新規上場銘柄が指数に組み入れられるまで上場後3ヶ月の経過が必要だった。

しかし超大型銘柄に限り、この条件が上場後15営業日に短縮されるルール変更が行われている。

笹木:「指数をベンチマークとして運用する機関投資家は、これらの超大型IPO銘柄を、買いたくなくても買わざるを得ない。そのために既存のポートフォリオから保有銘柄を売却せざるを得ないという事情も生まれます」

この「強制売却」圧力こそが、AI関連以外のセクター——特にSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業の株価下落の一因になっていると笹木氏は指摘する。

「SaaSの死」と言われるほど下落が目立っているが、多くの企業の業績自体は悪化していない。

業績悪化ではなく、資金シフトによる需給の歪みが下落を招いているという冷静な視点は重要だ。

懸念点②:AIの光が強いほど、影も深く広がる

笹木氏が「光と影」という表現で示した現象は、すでに日本株市場にも現れている。

笹木:「6月1日(月)の日本株市場を振り返ると、日経平均は前日比604円高と堅調でした。しかし東証プライム市場の値上がり銘柄数は425銘柄だったのに対し、値下がり銘柄はなんと1,115銘柄にのぼりました」

指数は上昇しているのに、大多数の銘柄が下落するという逆転現象

これはAI関連の指数寄与度の高い一部銘柄だけが指数を押し上げているためだ。この現象の発生頻度が最近どんどん高まっており、「アメリカで超大型IPOが続く間、これが当たり前になっていく可能性がある」と笹木氏は警鐘を鳴らす。

浜田:「AI関連銘柄への一極集中、いつまで続くのでしょうか?もし崩れるとすれば、どのような要因が考えられますか?」

笹木:「想定時価総額1兆ドルの企業と比べると、イーライリリーが約1兆191億ドル、ウォルマートが約9,119億ドルです。SpaceXやOpenAI、Anthropicが上場後にこれらの超優良企業と肩を並べるような収益・キャッシュフローを稼げるのか——やはり疑問の余地があります。このアンバランスが認識されると、AI関連銘柄の偏りが修正され、投資資金が別の分野へシフトする余地は大きい」

懸念点③:データセンター建設反対運動が全米に拡大

AIインフラを支えるデータセンターに対して、電気料金高騰・水不足・騒音などを理由とした建設反対運動が全米に広がっている。

州レベルでは建設禁止法案の提出が相次いでおり、連邦議会でも民主党急進左派とMAGA派(共和党・トランプ寄り)の双方から反対の声が上がる異例の状況だ。

笹木:「今年11月の中間選挙でこれが大きな争点となり、選挙後にデータセンター建設への規制が強化されると、市場が織り込んでいるような高い成長を維持することが難しくなるかもしれません」

AIの成長シナリオを支えるインフラへの政治的リスク——これは今後の投資判断において見逃せない視点だ。


ヴェストラ

データセンターって、うるさいらしいですよね?!

【後半テーマ】ドル円160円台の攻防——介入はいつ、どこで?

円安が介入前水準に逆戻り、その背景は?

放送時点でドル円は一時160円09銭と、4月末以来の円安・ドル高水準を記録。完全に政府・日銀介入前の水準に戻している。

山中:「基本的に今の為替市場で一番気になっているのはイラン情勢です。攻撃開始から3ヶ月以上経っても依然として不透明で、リスクオフの米ドル買いという捉えられ方をされているため、なかなか円安進行が止まらない」

さらにホルムズ海峡の物流停滞によるインフレ圧力も円安を後押し。

ドイツではガソリンがリッター約400円、イギリスでも約340円に達しており、世界規模でエネルギー高騰が進行している。

国内個人投資家は「記憶にないレベル」のドル売り

興味深いのは、国内個人FX投資家の動向だ。

山中:「157円台後半から着実にドル売りを積み上げており、158円台後半からのドル売りポジションは相当な金額になっています。業者によって異なりますが、割合としてはドル売りが約67〜70%、ドル買いが約30%。この比率は私がこれまで見た中で記憶にないくらい高い水準です」

売り上がり戦略が得意な日本の個人投資家が大量のドル売りポジションを抱えているという事実は、介入タイミングの判断にも大きく影響する

介入効果はゼロ?実は逆効果の可能性も

浜田:「現時点での介入効果はどうでしょうか?」

山中:「全然ないと思いますね。むしろ個人投資家の絶好の利食い(またはポジション解消)の場にされてしまう。2年前の介入は161円台で出ていますから、それを超えての円安は青天井になってしまう可能性もある」

山中氏が示す介入の現実的なシナリオは以下の通りだ。

  • 現状:牽制発言にとどまる(しかも以前よりトーンが弱まっている)
  • 介入の条件:個人投資家のポジションが一部解消されてポジションが「軽く」なってから
  • 介入の想定水準160円台半ば〜161円台
  • 最も効果的なシナリオ:日銀会合後の植田総裁タカ派発言と介入のセット

金融政策ウィーク(6月11〜17日)が最大の焦点

来週は重要イベントが集中する「金融政策ウィーク」だ。

日程イベント予想
6月11日ECB理事会利上げ濃厚
6月12日SpaceX IPO市場注目度最高
6月16日日銀金融政策決定会合利上げ織り込み約84%超
6月17日FOMC現状維持

山中:「OIS(翌日物金利スワップ)の取引水準から見ると、6月の日銀利上げの織り込み度は放送前の段階で既に84%に達していました。市場参加者はほぼ6月の利上げを前提にしています。ただ、イラン情勢が落ち着いていなければ、金利差縮小を受けたドル売りにも動きにくい」

ドル円のコアレンジとして山中氏が示したのは、金融政策ウィークまでは「159円〜160円50銭」のレンジ推移という見立てだ。


ヴェストラ

さすがに、金利上がるのかな?

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まとめ|激動相場を生き抜く3つの視点

今回の放送から投資家が持つべき視点を整理しよう。

  1. 超大型IPOの恩恵と影響を両面から見る AIインフラ関連(半導体・データセンター)の追い風は継続しつつも、インデックス組み入れによる「強制売却」でAI以外のセクターが売られる構造的な歪みに注意が必要だ。指数が上がっても個別株が下がる「逆転現象」は今後さらに頻発する可能性が高い。
  2. データセンター規制リスクを政治イベントとして把握する 11月の中間選挙でデータセンター建設規制が争点化した場合、AIの高成長シナリオが崩れる可能性がある。ニュースを継続的にウォッチする習慣が重要だ。
  3. 円安の上値は161円台が試金石、日銀利上げが転換点か 国内個人投資家の記録的なドル売りポジションが積み上がる中、介入の効果は限定的。6月16日の日銀会合が最大の焦点であり、タカ派発言+介入のセットがドル円の転換点になり得る。

こうした複雑に絡み合う相場環境では、人間の感情や判断がパフォーマンスを損なうリスクが高まる。

日銀会合、FOMC、SpaceX IPO——ビッグイベントが重なる週は特に、冷静なルールベースの売買が重要になる。

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当ブログの「[MT5×VPS移行実践ガイド]」もぜひ合わせてご覧いただきたい。


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