2026年5月、世界の株式市場を大きく揺さぶる2つの波が押し寄せています。
一つは、ついに上場(IPO)の秒読み段階に入ったと囁かれるAIの巨人「OpenAI(オープンエーアイ)」の動向。もう一つは、長引く物価高とタイパ(タイムパフォーマンス)重視の時代背景により、空前の特需に沸く日本の「冷凍食品・低温物流」関連銘柄です。
2026年5月28日に放送されたラジオNIKKEI「ファイナンシャル・ジャーニー」では、前半にフィリップ証券の脇本源一氏が「OpenAI上場の最新観測」を、後半には経済アナリストの田嶋智太郎氏が「需要拡大が止まらない冷凍食品セクター」について、投資家必見の深掘り解説を行いました。
遠い未来のテクノロジーと、足元のリアルな生活防衛。対極にあるようで、どちらも確実な「時代の変化(メガトレンド)」を捉えています。番組の要点をわかりやすく要約してお届けします!
🎙 番組概要
番組名:投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」
放送日:2026年5月28日(木)
提供:フィリップ証券(ユアパートナー・イン・ファイナンス)
パーソナリティ:浜田 節子 氏
コメンテーター:
前半:脇本 源一 氏(フィリップ証券株式会社 取締役常務執行役員 投資銀行本部長)
後半:田嶋 智太郎 氏(経済アナリスト)
前半テーマ:OpenAI上場観測の最新情報。単なるIPOではなく「AIインフラ革命」の幕開け
番組前半は、フィリップ証券投資銀行本部長の脇本源一氏がスタジオに登場。
日本国内でもソフトバンクグループの株価を大きく動かしている「OpenAIの上場観測」について、海外のリアルな見方を解説しました。
150兆円規模のIPO!? 米国で進む水面下での上場準備
浜田:最近かなり話題になっていますが、OpenAIが正式に上場を発表したわけではないのですよね。今、海外では何が起きているのでしょうか。
脇本:簡単に言うと、OpenAIの上場(IPO)がかなり近づいているのではないかという観測です。
一部では9月頃という話も出ています。面白いのは、海外の投資家は「いつ上場するのか」ということではなく、「上場したら世界がどう変わるのか」というその先の世界へすでに目線が移っている点です。
アメリカの制度では、SEC(証券取引委員会)に水面下で書類を提出し、後から突然上場が発表される「コンフィデンシャル・ファイリング」という仕組みがあります。
報道によれば、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどが主幹事として関与し、上場時の時価総額は8,000億ドルから1兆ドル(日本円で約150兆円)に達するとの見方もあります。
「トヨタ自動車の時価総額が約50兆円ですから、いかに巨大なIPOになるかがわかります」と脇本氏は語ります。
ソフトバンクGが買われる理由:「ChatGPTの会社」ではなく「インフラ企業」
国内では、OpenAIの上場期待でソフトバンクグループの株が買われていると報じられていますが、海外の見方は少し異なります。
脇本:海外の投資家は、ソフトバンクGを「OpenAI単体への投資」としてではなく、孫正義氏が描いてきた「AI経済圏全体(データセンターやエネルギー関連事業まで含む)」のシナリオが現実化してきたと評価して買っています。
日本人はOpenAIを「ChatGPT(AIチャット)の会社」というソフトウェア企業のイメージで捉えがちですが、海外では「巨大なAIインフラ(社会インフラ)企業」として見ています。
AIを動かすには、とてつもない計算能力を持つデータセンターと、それを動かす「大量の電力」が必要です。OpenAIとソフトバンクなどは、最大で総額80兆円とも言われる巨大AIインフラ計画「スターゲイト」を進めています。
脇本:普通のIPOなら「売上・利益・成長性」が話題になりますが、OpenAIに関しては「電力は足りるのか?」「GPUは何台必要なんだ?」といった、発電所やインフラの話題が中心になっているのが特徴です。
「AI(OpenAI) vs 宇宙(SpaceX)」次の10年の主役はどっちだ?
脇本:次の世界の高速道路(インフラ)を作るのはどちらか。「AIインフラのOpenAI」か、「宇宙インフラのSpaceX」か。
ただし、慎重論もあります。
AIは進化のスピードも速いですが、「お金を溶かすスピード」も尋常ではありません。昔のIT企業のようにパソコン数台で起業できる世界ではなく、最初から何千億円もする巨大なデータセンター(工場)を建てる必要があるため、「2030年頃までOpenAIは黒字化しないのではないか」という試算も出ています。
「AI時代の主役企業がどのような形になるのか。私たちは新たな時代の入り口に立っている」と脇本氏は締めくくりました。
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後半テーマ:「コスパ」と「タイパ」で需要爆発!冷凍食品&低温物流相場の最前線

番組後半は、経済アナリストの田嶋智太郎氏がスタジオに登場。足元で空前の特需に沸く「冷凍食品」と、それを支える「冷凍・冷蔵倉庫(低温物流)」セクターについて、具体的な注目銘柄を交えて解説しました。
初の消費量300万トン突破!ワンプレート&大容量が牽引
浜田:今回は「コスパとタイパで需要拡大の冷凍食品」というテーマですが、最近の冷食は本当に便利で美味しくなりましたよね。
田嶋:ご承知の通り、冷凍食品の売り上げは年々伸びています。日本冷凍食品協会の発表によると、2025年の冷食の消費量は調査開始以来初めて300万トンを超え、消費額も約4%増の1兆3,613億円で過去最高を更新しました。
物価高が続く中、主食と主菜がセットになった「ワンプレート冷食」や、大容量パックがお安く買える点が全体の消費を牽引しています。味の素冷凍食品の「餃子(標準30個入り・660g)」などは約519円という安さで子育て世代の強い味方です。
また、単身世帯や共働き世帯の増加により、調理や後片付けの手間が省ける「タイパ(タイムパフォーマンス)」の良さも、需要爆発の背景にあります。
冷凍倉庫が足りない!「低温物流」へ巨額投資が集中
冷凍食品が売れれば、当然それを保管する「冷凍倉庫」や運ぶための「低温物流(コールドチェーン)」の需要も急増します。しかし、現在日本国内では「冷凍倉庫が圧倒的に足りない(需給逼迫)」という深刻な問題が起きています。
田嶋:近年、冷却に用いられる特定フロンの規制強化により古い倉庫は建て替えを迫られていますが、中小の事業者には簡単に建て替えができません。その結果、供給量が限られ、需給が逼迫しているのです。
このピンチをチャンスと捉え、資金力のある大手企業が巨額の投資を始めています。
- 三井不動産:2030年までに1,000億円を冷凍冷蔵倉庫へ投資。
- 日本GLP:2028年頃までに2,000億円を計画。
- SGホールディングス(佐川急便):低温物流に強いC&Fロジホールディングスを2024年に買収。
田嶋氏が注目する「冷凍食品・低温物流」関連4銘柄
田嶋氏は、この巨大なトレンドに乗る具体的な注目銘柄を4つ挙げました。
- ニッスイ(1332)ワンプレート冷食シリーズが絶好調。2024年3月発売の「ふっくらごはんとカツカレー」は前年比20%増。「ふっくらごはんとタラと野菜の黒酢あん」も計画比10%超え。500円前後で食べられるカフェ風の組み合わせが、物価高の中で大ヒットしています。
- ニチレイ(2871)冷凍食品の国内首位でありながら、実は「第2の柱が低温物流」です。子会社のニチレイロジグループ本社が運営する冷凍倉庫は現在フル稼働状態で、積極的な設備投資を進めています。
- 霞ヶ関キャピタル(3498)冷凍冷蔵倉庫の開発・建設において日本国内最大規模の投資を行っています。当初の計画を大幅に上積みし、2030年までに総額5,000億円を投じるという強気な姿勢を見せています。
- ヨコレイ(横浜冷凍・2874)利益の柱が冷蔵・冷凍倉庫の入庫料・保管料であり、需給逼迫の恩恵を直接受けています。5月に発表された決算では、営業利益・経常利益が9期ぶりに過去最高を更新する見通しとなり、株価も急騰しています。
個人の家庭向けだけでなく、人手不足に悩む飲食店や介護施設における「業務用冷凍食材」の需要も爆発的に伸びている現在。「冷凍食品&低温物流」セクターは、一過性のブームではなく、社会構造の変化に伴う息の長い投資テーマとなりそうです。
まとめ:メガトレンドを味方につけ、ポートフォリオを強化する

2026年5月28日放送の「ファイナンシャル・ジャーニー」では、「AIインフラ(OpenAIの上場)」という世界のメガトレンドと、「冷凍食品・低温物流の特需」という国内のメガトレンド、2つの巨大な波が紹介されました。
どちらも、私たちの生活や社会構造が根本的に変わる「不可逆的な変化」です。
短期的な相場の乱高下に一喜一憂するのではなく、こうした大きな社会の変化(メガトレンド)を読み解き、将来大きく成長するであろう分野に資金を投じることこそが、株式投資の醍醐味です。
フィリップ証券では、米国株(OpenAI関連のインフラ銘柄など)から、今回紹介された日本の冷凍食品関連銘柄まで、幅広い金融商品を取り扱っています。
これからのAI時代、そして物価高時代を生き抜くためのポートフォリオ構築について、ぜひフィリップ証券の経験豊富なスタッフに相談してみてはいかがでしょうか。
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