投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」要約(2026.3.19放送)|原油100ドル超えの衝撃と「製造業ハケン」の逆襲

2026年3月、マーケットはかつてないほどの激しいボラティリティに包まれています。

日経平均株価が一時5万8000円台という歴史的な高値水準を記録した直後、中東での地政学リスクが爆発。

アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃、そしてイランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖により、ニューヨーク原油先物価格は再び100ドルの大台を突破しました。

この急激な環境変化の中、私たちの資産にどのような影響が及ぶのでしょうか。

過去の「原油高騰局面」から読み解く金融市場の行方と、こんな乱高下相場でも力強い成長を続ける「内需・人手不足関連銘柄」の最前線について、2026年3月19日放送のラジオNIKKEI「ファイナンシャル・ジャーニー」で徹底議論されました。

ヴェストラ

イラン紛争の影響は?

🎙 番組概要

番組名:投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」
放送日:2026年3月19日(木)
提供:フィリップ証券(ユアパートナー・イン・ファイナンス)
パーソナリティ:浜田 節子 氏
コメンテーター:
笹木 和弘 氏(フィリップ証券株式会社 リサーチ部長)
田嶋 智太郎 氏(経済アナリスト)


目次

前半テーマ:原油高騰が引き起こす日本株急落。過去の「2つの危機」から未来を読み解く

番組前半は、フィリップ証券のリサーチ部長である笹木和弘氏をスタジオにお迎えし、足元で荒れ狂う金融市場の現在地と今後の見通しについて、過去のデータをもとに冷静に分析しました。

浜田:フィリップ証券リサーチ部長の笹木和弘さんと一緒にお送りしてまいります。

笹木:おはようございます。よろしくお願いいたします。

浜田:早速ですが、今回は「原油価格が高騰した2つの時期の金融市場」というテーマでお話しいただけるということですね。2月末にアメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃を契機といたしまして、イランがホルムズ海峡の事実上の封鎖を行いました。その結果、原油価格が高騰し、日本株の株式市場も非常に大きな影響を受けています。

笹木:おっしゃる通りです。

浜田:今朝方、ニューヨーク原油は再び100ドル台に乗せたということですが、今後の日本株の見通しを考える上で、笹木さんは原油価格が高騰した「過去の時期」として、どのような時期に注目されていらっしゃいますか?

笹木:はい。このイランによるホルムズ海峡の封鎖状態がいつまで続くのか、非常に不透明な面があります。過去の事例がどこまで参考になるかはわからないところもありますが、まず真っ先に思いつくのは、2022年2月24日に勃発したロシアによるウクライナ侵攻の時期です。

浜田:あれからもう4年になるんですね。

ヴェストラ

あれからもう4年も経つんだ、、、

第一の波:2022年ウクライナ侵攻時の原油高と株価の奇妙な関係

笹木:そうですね。当時もすでに、世界経済が新型コロナウイルスのパンデミックから回復しつつあるタイミングでした。

そこに原油輸出大国であるロシアに対する経済制裁が重なり、世界的なエネルギー不足を招きました。結果として、WTIの原油先物価格は一時1バレル130ドルまで急上昇し、おおむね6月頃まで1バレル100ドルを上回って推移したという経緯があります。

浜田:当時の日経平均株価はどのような動きをしていたのでしょうか。

笹木:実は、その間の日経平均株価が年初来安値をつけるのは3月9日の2万4681円でした。

ロシアの侵攻直前の終値が2万6243円でしたから、そこからの下落率は約6%にとどまっていたんです。

浜田:そう聞くと、世界中が大騒ぎになった割には、意外と下げていないという印象を受けますね。

笹木:それに対して、今回のアメリカとイスラエルによる軍事攻撃直前の今年2月27日の終値は5万8850円でした。

そして、いまのところの年初来安値をつけたのが3月9日の5万1407円です。つまり、わずかな期間ですでに13%近くも下落している。この点は2022年とは非常に対照的です。

浜田:2022年の時も大変だった記憶がありますが、それよりも今年の方が下落率がはるかに大きくなっている。これはなぜなのでしょうか。

なぜ今年の下落は激しいのか?「期待の剥落」と外国人投資家の売り

笹木:まず、2022年当時というのは、2021年の秋に発足した自民党・岸田内閣に対する政策への失望感などから、日本株市場がすでに軟調な状態にありました。

2021年9月の高値3万795円から、ウクライナ戦争勃発直前の時点で、すでに約15%も下落していたんです。

そこからさらに下がったとはいえ、2021年の高値から見ればすでに20%の調整が済んでいた。つまり、価格の調整パターンとしては「よくあるもの」だったと言えます。

浜田:なるほど。元々下がっていたから、ショックへの耐性があったと。

ヴェストラ

今年は全く違いますね。

笹木:今年は2月8日に投開票が行われた衆議院解散総選挙で自民党が大勝したことを受け、海外投資家の買い越しが現物・先物合計で2月月間だけで約4兆5600億円という空前の規模に達しました。

さらに、株価指数の現物と先物の価格差に注目した「裁定取引」の買い残も、1月末から約1兆5000億円も増加し、3兆8600億円規模と、約12年ぶりの高水準にまで膨れ上がっていたんです。

浜田:凄まじい資金が日本株に流れ込んでいたわけですね。

笹木:はい。高すぎた期待の反動とでも言いましょうか。

3月の第1週になると、外国人投資家は現物・先物合計で約7500億円を売り越しに転じました。裁定取引の買い残もほぼ同額の7500億円減少しています。

浜田:もし今回が2022年型と同じような動きをするとしたら、どう警戒すべきでしょうか。

笹木:もしホルムズ海峡の事実上の閉鎖と原油価格の高騰が長期化し、本格的な調整局面に入るのであれば、常識的には年初来高値水準から約2割程度の下落を見ておく必要があるかもしれません。ちなみに、2022年の2月末から5月末にかけては、TOPIXの業種別指数で見ると「鉱業」「石油石炭製品」「倉庫運輸関連」「海運業」「電気ガス」などが騰落率の上位を占めました。以上が、1つ目の時期からの教訓です。

第二の波:2008年サブプライム・ショックと「プライベート・クレジット」の暗影

浜田:では、原油価格が高騰した2つ目の時期としては、どの時期が挙げられますか?

笹木:2つ目に挙げたいのは、サブプライムローン問題で金融システム不安が顕在化しつつあった2007年7月から2008年6月にかけての時期です。

この時期は特に大きな戦争や紛争があったわけではないのですが、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)など新興国市場のブームを背景に、WTI原油先物価格は2007年7月の1バレル70ドルから、2008年6月には140ドル台へと倍増しました。

浜田:あのリーマン・ショックの前夜ですね。

笹木:はい。2007年8月の「パリバ・ショック」で投資ファンドが償還を凍結したり、2008年3月には大手投資銀行のベア・スターンズが経営危機に陥るなど、金融危機が次々と露呈していた時期です。当時のFRB(米連邦準備制度理事会)が2007年9月に利下げに転じたこともあり、行き場を失った投機的なマネーがエネルギーや貴金属市場に流れ込んだ面もありました。

浜田:それが、今の状況とどう重なるのでしょうか。

笹木:実は現在も、銀行などの従来型金融機関を経由せず、投資ファンドを通じて高利回りで資金を集めて投融資を行う「プライベート・クレジット」の問題が相次いで表面化してきています。

今年2月になり、一部のプライベート・クレジット・ファンドにおいて投資家からの解約請求が急増し、解約を一時停止したり、資金引き出しの上限を引き下げる動きが相次いでいるんです。

浜田:金融の裏側で、資金の目詰まりが起き始めていると。

笹木:さらに深刻なのは、AIの急速な普及によって、従来のソフトウェア企業が収益基盤を奪われるのではないかという懸念が高まっていることです。そうしたソフトウェア企業へ多額の融資(クレジット)を行っているファンドに対する警戒感も強まっています。イランを巡る情勢が落ち着かず、原油高による実体経済への悪影響が広がれば、資金の借り手の資金繰りは悪化し、ファンドを解約しようとする投資家の動きも加速するでしょう。

浜田:連鎖的なショックが起きかねないということですね。

笹木:今年の原油高騰を取り巻く金融市場の環境は、この2つ目の「サブプライム・ショック・パターン」と類似している面が見え隠れしています。もしこのシナリオに陥った場合、2022年のパターンよりもはるかに厄介な事態となる可能性が高く、最大限の警戒が必要だと考えています。

浜田:非常に気になるところです。ここまで笹木さんに、原油価格が高騰した過去の2つの時期を振り返りながら、現在の金融市場への警鐘を鳴らしていただきました。笹木さん、どうもありがとうございました。

笹木:ありがとうございました。


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後半テーマ:大波乱相場を乗り切る「内需の星」。製造業向け人材派遣ビジネスの覚醒

番組後半は、海外の地政学リスクやマクロ経済の波乱から少し距離を置き、力強い成長を続ける「日本の内需」、特に深刻な人手不足を解決するビジネスモデルに焦点を当てました。

浜田:さて、ここからは経済アナリストでいらっしゃいます田嶋智太郎さんと一緒にお送りしてまいります。

浜田:田嶋さん、マーケットの不透明感が一気に増してきて、今の時期は銘柄選別をどうしようかと悩む投資家も多い局面だと思います。今日はそのヒントをいただけるということですが、どのようなお話を伺えそうでしょうか。

田嶋:そうですね。大きく言うと「内需」に注目したいと思っています。現在、国内では「人手不足」の問題が大きくフィーチャーされていますよね。特に、高い技術を持つ人材が圧倒的に足りないという状況です。今日はそのあたりをテーマにお話ししたいと思っています。

有効求人倍率2.3倍の世界。半導体エンジニアはいくらお金を積んでも採れない

浜田:人手不足というテーマですね。国内に目を向けるということですが、具体的にはどのような業界でしょうか。

田嶋:製造業向けの「人材派遣」や「人材育成」を手掛ける各社の動きに注目しています。今、こうした企業が派遣先の企業と共同で、全くの未経験者を専門人材に育て上げるという動きを強めているんです。

浜田:派遣元と派遣先が共同で育てるんですか。

田嶋:はい。通常、製造業向けの派遣といえば、派遣先が求める条件やスキル、経験を最初から持っている人材を確保して送り込むのがセオリーでした。

しかし、今は人手不足が極めて顕著になっています。

昨年のデータですが、製造業の「製造技術者」の有効求人倍率はなんと2.3倍です。全職種の平均が1.21倍ですから、本当に倍近い水準で人が足りていません。特に半導体のエンジニアなどは、いくら採用費をかけても市場に人がいない状態なんです。

浜田:需要に供給が全く追いついていないのですね。

田嶋:そこで、最初からスキルを持っている人を血眼になって探すのではなく、「未経験者でもできるだけ早く即戦力に仕立て上げる」という工夫が必要になってきました。

派遣先と一体となって人材を育てる体制を築くビジネスモデルが、今、猛烈な勢いで成長しているんです。

最短1年半で未経験者をエンジニアに。UTグループ(2146)の衝撃

浜田:実際、現場ではその育成というのはどのような状況になっているのでしょうか。

田嶋:例えば、「UTグループ(コード番号:2146)」という上場企業があります。ここは、未経験者を最短1年半で半導体エンジニアに育て上げてしまうんですよ。

浜田:えっ、たった1年半ですか?かなりの短期間ですね。

田嶋:通常であれば、まずは製造工程の簡単なオペレーターとして派遣され、働きながら育成センターで教育を受け、さらに現場で実務経験を積んで、一人前のエンジニアになるまでに大体2、3年はかかるのが一般的です。

しかしUTグループは、派遣先企業とガッチリと共同体制を組み、現場で働きながらの超実践的な研修を行うことで、最短1年半というスピード育成を実現しています。

浜田:それなら企業側も大助かりですね。

田嶋:そうなんです。この人手不足の環境下で、短期間で専門家を育成できる独自の仕組みを持っているため、派遣先企業からの引き合いが殺到しています。

そして面白いのが、人材を共に育てた後、その人材は最終的に派遣先企業の正社員になっていくというビジネスモデルなんです。

浜田:業績の方はいかがでしょうか。

田嶋:絶好調です。2026年3月期の営業利益は18%増の95億円を見込んでいますが、第3四半期時点ですでに進捗率が大きく上回っており、最終着地はさらに上振れる可能性が高いです。

また、この会社は1株につき15株の割合で株式分割を行っており、現在の株価は200円台と非常に手が出しやすい。しかも、配当利回りが5.4%から5.5%と非常に高水準なんです。

文系から技術者へ。ウィルグループ(6089)とメイテックグループ(9744)の躍進

浜田:他にも注目すべき企業はありますか?

田嶋:はい。製造業向け人材事業を営む企業は、総じて業績が良く配当利回りが高いのが特徴です。次にご紹介したいのが「ウィルグループ(コード番号:6089)」です。こちらの予想配当利回りも3%台半ばと高水準です。

浜田:ウィルグループはどのような取り組みをされているのでしょうか。

田嶋:この会社も、派遣先のエンジニアリング企業で未経験人材を機械・電気系のエンジニアに育成する取り組みを始めています。

特にユニークなのは、理系出身者だけでなく、「文系」の方でも意欲や適性を重視して採用している点です。育成期間中の人件費などのコストは派遣元が負担し、実際に自動車や半導体といった最先端の現場で即戦力となるよう育て上げています。文系の方を技術者に育てるというのは、業界でも画期的な試みです。

浜田:業績の進捗はいかがですか。

田嶋:今期(2026年3月期)の営業利益は前期比33%増の31億円を予想していますが、第3四半期時点での進捗率がなんと92%に達しています。こちらも最終的な上振れは確実視されています。

浜田:3月決算企業ということで、まさにこれから配当の権利取りの時期ですね。

田嶋:おっしゃる通りです。三月末の権利付き最終売買日が近づいていますので、あと1週間ほどの間にぜひご検討いただきたい銘柄です。

さらに同じ3月決算では、技術者派遣の最大手である「メイテックグループ(コード番号:9744)」も見逃せません。トヨタやホンダ、三菱重工といった名だたる大企業から引き合いが殺到しており、業績は過去最高を更新中。こちらの配当利回りも5%台半ばと非常に魅力的です。

12月決算企業にも注目。アルプス技研(4641)とワールドホールディングス(2429)

浜田:お時間が迫ってまいりましたが、3月決算以外の企業で注目銘柄はありますでしょうか。

田嶋:12月本決算の企業では、「ワールドホールディングス(コード番号:2429)」や「アルプス技研(コード番号:4641)」に注目しています。いずれも4%台から5%台の高い配当利回りが期待できます。

特にアルプス技研は、三菱電機やキオクシア、キヤノンなどが大口の取引先であり、旺盛な需要を背景に今後の業績拡大が大いに期待できる状況です。

浜田:お話を伺っていると、波乱のマーケット環境の中でも、国内の「製造業向け人材派遣・育成」というテーマは一段と引き合いが強まっており、力強い投資妙味があることがよくわかりました。田嶋さん、本日はお忙しい出張先から誠にありがとうございました。

田嶋:ありがとうございました。


まとめ:危機の中で光る投資の知恵。フィリップ証券と共に歩む未来

出典:フィリップ証券

番組の最後に、激動の相場を生き抜くための視点が提示されました。

中東情勢の悪化と原油価格の高騰という外部要因によって、日本の株式市場は過去に類を見ないスピードで調整を余儀なくされています。笹木氏が指摘した「期待の剥落」や「プライベート・クレジットの不穏な動き」には、最大限の警戒が必要です。

しかし一方で、田嶋氏が解説したように、国内の「深刻な人手不足」という構造的な課題を解決し、未経験者をプロのエンジニアに育て上げるという力強いビジネスモデルを持つ企業群は、外部環境の波乱をものともせず、最高益の更新と高配当を実現しています。

マクロの危機を冷静に分析しつつ、ミクロの成長企業をしっかりと見極める。それこそが、今の相場に求められる投資家の姿勢ではないでしょうか。

「投資がわかると意識が変わる。意識が変わると世界が変わる。」

先行きが見通しにくい時代だからこそ、確かな情報とプロの視点が不可欠です。

フィリップ証券は、対面営業からオンライン法人営業、上場支援まで、多様な投資商品が登場する現代社会において、常にお客様に合ったご提案を行う「良きパートナー」であり続けます。


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