2025年総括|AI相場と金利のある世界を読み解く【ファイナンシャル・ジャーニー】


📌 今週のファイナンシャル・ジャーニー要約(2025年 年末特別回)― AI相場、防衛地政学、金利のある世界を総点検 ―

2025年最後の放送となったラジオNIKKEI「ファイナンシャル・ジャーニー」。

年末特別回のスタジオには、番組パーソナリティの浜田節子、そしてコメンテーターとして 永堀真(フィリップ証券 代表取締役社長)、後半には 田嶋智太郎(経済アナリスト)が登場しました。

2025年のマーケットを一言で言えば、「AIが牽引し、地政学と金利が試練を与えた一年」。

この番組らしく、数字だけでなく“現場感覚”を交えながら、一年を丁寧に振り返っていきます。


🎙 番組概要

番組名:ファイナンシャル・ジャーニー
放送局:ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週木曜日 8:30〜8:49
提供:フィリップ証券
出演:浜田節子(パーソナリティ)、永堀真(フィリップ証券 代表取締役社長)、田嶋智太郎(経済アナリスト)


目次

2025年を振り返る

「一年、本当に早かったですね」

「永堀さん、改めましておはようございます。今年最後のファイナンシャル・ジャーニーということで、今日は2025年の総括をお願いしたいと思います」

浜田節子さんのこの一言から、年末らしい落ち着いたトーンで番組はスタートします。

「本当に早い一年でしたね。あっという間でした」

永堀社長の第一声も、実感のこもったものでした。

「マーケットは本当にいろいろなことがありましたが、今日は証券市場の視点から、この一年を振り返ってみたいと思います」


AI主導で進んだ2025年の株式市場

勝ち組がより勝つ、選別色の強い一年

「まず、証券市場の観点から見ると、2025年はAI主導の株高が続いた一年だったと言えると思います」

永堀社長は、穏やかな口調ながらも、はっきりとした言葉で市場を総括します。

AI関連や防衛関連といった成長分野は、世界的に非常に高いパフォーマンスを示しました。

一方で、関税によるコスト上昇や需要減速の影響を受けやすい消費関連、素材関連企業は伸び悩む展開に。

「結果として、勝ち組がより勝つ、国やセクター間で明暗が大きく分かれる一年だったと思います」

指数で見てもその傾向は明確です。

米国株ではS&P500やMSCIワールドが年初来で約17%上昇。日本市場では日経平均株価が約25%上昇し、5万円台を突破する場面もありました。


AI投資の加速と、その裏側にある課題

データセンターと電力という現実

「やはり今年、世界的な観点で外せないのはAIですよね」

浜田さんの問いかけに、永堀社長も即座にうなずきます。

「外せませんね。AI投資は急速に加速していて、世界全体では約1.5兆ドル規模に達すると言われています」

その中心となっているのが、データセンターへの巨額投資。

高性能GPUを大量に稼働させるため、世界各地で大規模なデータセンター建設が進みました。

ただし、ここには影の部分もあります。

「データセンターは莫大な電力を消費します。エネルギー需給の逼迫や、地球温暖化を加速させる側面も無視できません」

AIの進展と表裏一体で、

  • 電力利用の効率化
  • クリーンエネルギー関連ビジネス

が今後、より注目されていく――。

永堀社長は、来年以降の重要テーマとしてこの点を強調しました。


防衛地政学は「構造テーマ」へ

戦争リスクは常態化する

次に話題は、防衛と地政学リスクへ。

「2025年は、市場が地政学リスクを一時的な事象ではなく、構造的な要因として捉え始めた年だったと思います」

NATO諸国ではGDP比2%以上の防衛費が事実上の義務となり、日本でも防衛費を5年間で倍増する方針が示されました。

「防衛費が年単位で見通せる環境になったというのは、市場にとって非常に大きな変化です」

注目分野も大きく変わりました。

かつての「防衛=重工業」から、

  • サイバーセキュリティ
  • 衛星・宇宙
  • 先端テクノロジー

へと軸足が移っています。

「今は、防衛イコール最先端テクノロジーという時代ですね」


金利のある世界が戻ってきた日本

預金一辺倒からの転換点

「最後に、やはり金利の話も外せませんね」

浜田さんが話を振ると、永堀社長は少し間を置いて語り始めました。

アメリカではインフレ指標を巡る不確実性から、FRBの金融政策判断が難しくなり、金利は大きく変動。一方、日本ではゼロ金利政策が終了し、「金利のある世界」が現実となりました。

「金利上昇にはマイナス面もありますが、企業の資本効率を高め、個人に将来価値を意識した金融行動を促す側面もあります」

長く続いた預金中心の資産形成から、運用を前提とした考え方へ。

2025年は、その意識転換が始まった年でもありました。


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出典:フィリップ証券

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後半テーマ:AI相場をどう読むか

田嶋智太郎氏が語る半導体と日本企業

後半は、経済アナリストの田嶋智太郎氏が電話出演。

「今年を象徴する言葉は、やはりAI相場ですね」

フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は約42%上昇。一方、NYダウ平均は13%程度にとどまりました。

「かなりハイテク、AI関連に偏った相場だったと言えます」

ただし、足元では高バリュエーションへの警戒や、投資回収への不安も出始めています。

「主役が入れ替わる可能性もあります。ある銘柄が大きく上がる一方で、別の銘柄が大きく下がる、そんな局面も想定されます」


日本企業が強みを持つ“AI特需の裾野”

田嶋氏が強調したのは、日本企業の存在感です。

「AI半導体そのものではなく、その周辺ビジネス。ここで日本企業は非常に強い」

2ナノ世代、さらにはその先の微細化・高密度化が進むことで、半導体材料の需要はむしろ増加します。

「AI特需は、思っている以上に裾野が広い。来年以降も注目すべきテーマです」


まとめ:変化をどう受け止めるか

2025年のファイナンシャル・ジャーニー年末特別回は、単なる総括ではなく、「これからをどう考えるか」を示す内容でした。

  • AIは産業構造を変える
  • 防衛地政学は構造テーマとして続く
  • 金利のある世界で、資産運用の考え方が問われる

変化を恐れず、理解し、取り入れること。

それが、来年以降の投資と向き合う上での最大のヒントと言えるでしょう。


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