今週のファイナンシャル・ジャーニー(2025年10月30日)|高市財政×日銀の“延期ロジック”を読む――基調インフレ3指標と関西維新関連銘柄の行方

高市政権の財政と日銀の舵取り、そして“関西×維新”の銘柄物語

新政権誕生後、株高・円安が同時進行する日本市場。

前半では「責任ある積極財政」の実像と日銀の“基調的インフレ”3指標を、後半では“関西×維新”という政策テーマから浮かび上がる注目セクター・銘柄を掘り下げます。

投資判断の前に、「何が語られ、なぜそう言えるのか」を会話の行間ごと丸ごと持ち帰ってください。

🎙 番組概要

番組名:ファイナンシャル・ジャーニー(ラジオNIKKEI)
パーソナリティ:浜田 節子
コメンテーター(前半):三角 友幸(フィリップ証券 リサーチ部)
コメンテーター(後半):田嶋 智太郎(経済アナリスト)
提供:フィリップ証券(ユア・パートナー・イン・ファイナンス)

目次

オープニング:株高・円安のいまを、どう“言葉”にするか

浜田:ファイナンシャル・ジャーニー。分かる、変わるのフィリップ証券の提供でお送りします。

スタジオにはフィリップ証券リサーチ部の三角 友幸さん。おはようございます。

三角:おはようございます。よろしくお願いします。

浜田:今日は「高市財政と金融政策」。総裁選から内閣発足、株は上、為替は152円台後半まで円安。

まず、いまの空気、どう見ます?

三角:一言でいえば“期待先行と慎重後退の同居”。株は期待を素直に織り込む。

一方で為替は、財政・金利観測のわずかなニュアンスで速く動く。市場は“次の一言”を待っています。

キーワードは「責任ある積極財政」――レトリック?それとも方針?

浜田:「責任ある積極財政」。言葉は強いけれど、中身は?

三角:レトリックとして読める面が大きいと思います。

消費減税や一律給付を明確に否定、連立合意は現役世代の負担軽減や保険財政の健全化に軸足。短期の“撒き・打ち出し”より、制度の筋肉を鍛えるトーンです。

浜田:積極と責任の“バランス取り”ですね。

三角:はい。増税決定の難しさや、日銀へのけん制が示唆されたことを踏まえると、金融は緩和バイアスをにおわせ、財政再建は名目のフローで耐える。そんな絵柄に近い。

財政は“ストックかフローか”で風景が変わる

浜田:債務対GDP比が高い日本。

高市総理は「純債務対GDP比を下げる」目標を掲げています。これ、安心材料?

三角:数字の見え方に注意が必要です。純債務が軽く見えるのは、公的金融資産――年金積立金や政府関連の貸付・出資を含むから。これらは“すぐに売って債務返済に回せる”性質の資産ではない。

浜田:郵政株の売り出しみたいに、ディスカウントを伴うケースも。

三角:そう。だから国家の健全性は“資産の厚み”ではなく税収というフローの持続力で見るべき。さらに重要なのは“増加率”。債務や歳出の伸びが名目GDPの伸びと同程度なら、直ちに危機とは言い切れない。

名目は伸びる、実質は伸びにくい――実感とのズレ

浜田:名目GDPはインフレ寄与で3%台半ば。数字は前向きに見えますが、家計の実感は?

三角:実質成長がゼロ近傍なので“楽にはなっていない”。財政指標は名目の風で改善しても、暮らしの実感は別。ここをどう埋めるかが政治と政策運営の難所です。

日銀の視線:“基調的インフレ”3指標のリアル

浜田:会合のたびに出てくる「基調的インフレ」。今日はそこを具体に。

三角:日銀は、①刈り込み平均、②加重中央値、③最頻値――CPIの分布をならして“物価の芯”を測る三つを参照します。いずれかが2%を割れていれば、「基調はまだ」との説明余地が生まれやすい。

浜田:つまり、利上げ延期のロジックに使える。

三角:はい。背景が需給ギャップではなく、輸入や食品などコストプッシュ色が強いなら、なおさら慎重。今回も“言葉選び”に相当腐心するはずです。

浜田:米要人の発言も飛びました。外圧か、政府要求か――どちらに屈したと見られない表現が必要、と。

三角:おっしゃる通り。数字と同じくらい、コミュニケーションの一貫性が政策の実力を決めます。

会話で“数字の解像度”を上げる

浜田:たとえば“刈り込み平均が2.1%、中央値1.4%、最頻値1.7%”という月なら?

三角:「三つのうち二つが2%割れ=基調2%未達」と説明可能。市場は“延期”を織り込み、長期金利の“文言先導”に視線が集まるでしょう。

浜田:金融株は?

三角:短期はボラティリティが出やすい。

ただし大枠での“正常化方向”が変わらない限り、貸出利鞘の回復→地域金融のバリュエーション是正という筋は生きています。

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出典:フィリップ証券

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後半:政策テーマが街を変え、銘柄を走らせる

浜田:ここからは経済アナリストの田嶋 智太郎さん。おはようございます。

田嶋:おはようございます。よろしくお願いします。

浜田:テーマは「注目度高まる関西維新関連銘柄」。関西、熱いですね。

田嶋:はい。まず“地縁と合意”。奈良出身の総裁に、維新との連立。

副首都構想は「今国会で協議体設置→来期通常国会で法案化」まで時間割が出てきた。政策が“構想”から“実装準備”へと足を踏み入れた感触です。

浜田:アフター万博も追い風?

田嶋:大きいですね。「

閉幕=失速」ではなく、IR、不動産再開発、そしてデータセンターの関西シフト。堺や京都など具体計画が並び、雇用・投資・観光を面で押し上げる。

セクター別・銘柄別の“会話メモ”――メモれる速さで

浜田:では、銘柄の“入り口”を。

田嶋:まず金融。りそなホールディングス(8308)。歴史的に関西との結びつきが強く、法人貸出の伸びと金利差で収益が底上げされやすい。

決済領域の協業地銀との国際業務連携で、資金の流路を太くする戦略がはっきりしている。

浜田:政策テーマの“血流”役、と。

田嶋:そう。副首都や再開発って、最終的には資金が回らないと動かない。金融が動脈なら、次は鉄道×不動産=都市の骨格

阪急阪神ホールディングス。

田嶋:鉄道・不動産・ホテル・エンタメ(宝塚)・旅行を束ねる総合都市運営うめきた2期の段階開業、2031年のなにわ筋線開業で、人とお金の流れが一段滑らかに。MICE・観光の回帰も味方です。

近鉄グループホールディングス(9041)

田嶋:奈良~伊勢~京都までの広域観光を“面”で設計できるのが強み。高級ホテルの開業ラッシュで客単価と滞在を伸ばせる。百貨店や旅行(KNT-CT)との連携で、収益の“重層化”が効きます。

浜田:次世代エネルギーの“関西発”も。

田嶋:ペロブスカイト太陽電池。積水化学工業(4204)、カネカ(4118)。

“薄く・曲がる”から、壁や窓が発電面になる

再開発やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)義務化と相性が良い。都市×省エネ×意匠の三拍子です。

浜田:データセンターは“影の主役”の連鎖も。

田嶋:回線・電力・用地の三点セットに、非常用電源・空調・冷媒・防災

EPCの受注から引渡しまで売上計上の山が後ろズレするので、四半期の段差を“怖がらない”投資家ほど、旨みを拾いやすい。

トレードノート:時間軸と感応度を整理する

田嶋:

  • 時間軸を分ける(短期=政策・会合ヘッドライン/中期=再開発・開業のマイルストーン/長期=技術・規制・量産段階)
  • フロー重視(受注残・キャッシュフロー・バックログ)
  • 金利感応度の棚卸し(金融・不動産・公益の配合を意図的に)。

浜田:すごく実務的。ありがとうございます。

田嶋:関西は“政策×街×デジタル”の三層が同時進行。テーマが途切れにくいのが魅力です。

まとめ:高市財政の“責任”と、関西テーマの“継続”

  1. 「責任ある積極財政」は、短期の拡張というより制度の健全化×名目フローに軸足。
  2. 日銀は基調的インフレ3指標をよりどころに、言葉の整合性を重視した慎重運転。
  3. 関西は副首都構想×再開発(うめきた2期/なにわ筋線)×データセンターの三層でテーマが続く。
  4. セクターは、**金融(りそなHD)→インフラ・不動産(阪急阪神/近鉄GHD)→次世代エネルギー(積水化学/カネカ)**の“梯子”で捉えるとブレにくい。
  5. ファンダはフローで追い、金利感応度をポートフォリオで調整。

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