高市政権の財政と日銀の舵取り、そして“関西×維新”の銘柄物語
新政権誕生後、株高・円安が同時進行する日本市場。
前半では「責任ある積極財政」の実像と日銀の“基調的インフレ”3指標を、後半では“関西×維新”という政策テーマから浮かび上がる注目セクター・銘柄を掘り下げます。
投資判断の前に、「何が語られ、なぜそう言えるのか」を会話の行間ごと丸ごと持ち帰ってください。
🎙 番組概要
番組名:ファイナンシャル・ジャーニー(ラジオNIKKEI)
パーソナリティ:浜田 節子
コメンテーター(前半):三角 友幸(フィリップ証券 リサーチ部)
コメンテーター(後半):田嶋 智太郎(経済アナリスト)
提供:フィリップ証券(ユア・パートナー・イン・ファイナンス)

「わかる、かわる」をキーワードに、まるで世界を旅するようにマーケット全体の動向、アジア・アメリカを中心とする国際情勢、様々な金融商品の特徴まで、その日の取引に役立つ幅広い情報を、各分野の専門家が解りやすく解説します。
投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」2025.11.6放送
パーソナリティは浜田節子
コメンテーターは枝川 哲也氏(フェイス監査法人 IPO事業部 事業部長 パートナー 公認会計士)、脇本 源一氏(フィリップ証券 取締役常務執行役員 投資銀行本部長)

オープニング:株高・円安のいまを、どう“言葉”にするか

浜田:ファイナンシャル・ジャーニー。分かる、変わるのフィリップ証券の提供でお送りします。
スタジオにはフィリップ証券リサーチ部の三角 友幸さん。おはようございます。
三角:おはようございます。よろしくお願いします。
浜田:今日は「高市財政と金融政策」。総裁選から内閣発足、株は上、為替は152円台後半まで円安。
まず、いまの空気、どう見ます?
三角:一言でいえば“期待先行と慎重後退の同居”。株は期待を素直に織り込む。
一方で為替は、財政・金利観測のわずかなニュアンスで速く動く。市場は“次の一言”を待っています。
キーワードは「責任ある積極財政」――レトリック?それとも方針?
浜田:「責任ある積極財政」。言葉は強いけれど、中身は?
三角:レトリックとして読める面が大きいと思います。
消費減税や一律給付を明確に否定、連立合意は現役世代の負担軽減や保険財政の健全化に軸足。短期の“撒き・打ち出し”より、制度の筋肉を鍛えるトーンです。
浜田:積極と責任の“バランス取り”ですね。
三角:はい。増税決定の難しさや、日銀へのけん制が示唆されたことを踏まえると、金融は緩和バイアスをにおわせ、財政再建は名目のフローで耐える。そんな絵柄に近い。
財政は“ストックかフローか”で風景が変わる

浜田:債務対GDP比が高い日本。
高市総理は「純債務対GDP比を下げる」目標を掲げています。これ、安心材料?
三角:数字の見え方に注意が必要です。純債務が軽く見えるのは、公的金融資産――年金積立金や政府関連の貸付・出資を含むから。これらは“すぐに売って債務返済に回せる”性質の資産ではない。
浜田:郵政株の売り出しみたいに、ディスカウントを伴うケースも。
三角:そう。だから国家の健全性は“資産の厚み”ではなく税収というフローの持続力で見るべき。さらに重要なのは“増加率”。債務や歳出の伸びが名目GDPの伸びと同程度なら、直ちに危機とは言い切れない。
名目は伸びる、実質は伸びにくい――実感とのズレ
浜田:名目GDPはインフレ寄与で3%台半ば。数字は前向きに見えますが、家計の実感は?
三角:実質成長がゼロ近傍なので“楽にはなっていない”。財政指標は名目の風で改善しても、暮らしの実感は別。ここをどう埋めるかが政治と政策運営の難所です。
日銀の視線:“基調的インフレ”3指標のリアル
浜田:会合のたびに出てくる「基調的インフレ」。今日はそこを具体に。
三角:日銀は、①刈り込み平均、②加重中央値、③最頻値――CPIの分布をならして“物価の芯”を測る三つを参照します。いずれかが2%を割れていれば、「基調はまだ」との説明余地が生まれやすい。
浜田:つまり、利上げ延期のロジックに使える。
三角:はい。背景が需給ギャップではなく、輸入や食品などコストプッシュ色が強いなら、なおさら慎重。今回も“言葉選び”に相当腐心するはずです。
浜田:米要人の発言も飛びました。外圧か、政府要求か――どちらに屈したと見られない表現が必要、と。
三角:おっしゃる通り。数字と同じくらい、コミュニケーションの一貫性が政策の実力を決めます。
会話で“数字の解像度”を上げる
浜田:たとえば“刈り込み平均が2.1%、中央値1.4%、最頻値1.7%”という月なら?
三角:「三つのうち二つが2%割れ=基調2%未達」と説明可能。市場は“延期”を織り込み、長期金利の“文言先導”に視線が集まるでしょう。
浜田:金融株は?
三角:短期はボラティリティが出やすい。
ただし大枠での“正常化方向”が変わらない限り、貸出利鞘の回復→地域金融のバリュエーション是正という筋は生きています。
フィリップ証券からのお知らせ

ネットだけじゃ不安――その気持ちに寄り添う対面サポート。
日本株・米国株に加え、アジア株式や外債、私募投資まで取り扱い。投資に慣れた方へはタイムリーなマーケット情報を、はじめての方へは“聞ける相手”として伴走。相続やライフイベントも含め、ユア・パートナー・イン・ファイナンスとして最適解を一緒に探します。
(※価格変動等により損失が生じるおそれがあります。契約締結前交付書面等をご確認の上、お取引ください)
📌「本気の投資」を始めるなら、MT5×自動売買のフィリップ証券へ
「自分に合った投資スタイルが見つからない…」
そんな方へおすすめしたいのがフィリップ証券のMT5口座。
自動売買(EA)対応・チャート機能充実・CFD完全対応で、投資の“旅”が変わります。
いま話題の「ファイナンシャル・ジャーニー」でもたびたび紹介されている、
MT5で一歩先の投資体験を。
※完全無料/スマホ対応/FX・株価指数・CFDすべてOK
後半:政策テーマが街を変え、銘柄を走らせる

浜田:ここからは経済アナリストの田嶋 智太郎さん。おはようございます。
田嶋:おはようございます。よろしくお願いします。
浜田:テーマは「注目度高まる関西維新関連銘柄」。関西、熱いですね。
田嶋:はい。まず“地縁と合意”。奈良出身の総裁に、維新との連立。
副首都構想は「今国会で協議体設置→来期通常国会で法案化」まで時間割が出てきた。政策が“構想”から“実装準備”へと足を踏み入れた感触です。
浜田:アフター万博も追い風?
田嶋:大きいですね。「
閉幕=失速」ではなく、IR、不動産再開発、そしてデータセンターの関西シフト。堺や京都など具体計画が並び、雇用・投資・観光を面で押し上げる。
セクター別・銘柄別の“会話メモ”――メモれる速さで
浜田:では、銘柄の“入り口”を。
田嶋:まず金融。りそなホールディングス(8308)。歴史的に関西との結びつきが強く、法人貸出の伸びと金利差で収益が底上げされやすい。
決済領域の協業や地銀との国際業務連携で、資金の流路を太くする戦略がはっきりしている。
浜田:政策テーマの“血流”役、と。
田嶋:そう。副首都や再開発って、最終的には資金が回らないと動かない。金融が動脈なら、次は鉄道×不動産=都市の骨格。
阪急阪神ホールディングス。
田嶋:鉄道・不動産・ホテル・エンタメ(宝塚)・旅行を束ねる総合都市運営。うめきた2期の段階開業、2031年のなにわ筋線開業で、人とお金の流れが一段滑らかに。MICE・観光の回帰も味方です。
近鉄グループホールディングス(9041)
田嶋:奈良~伊勢~京都までの広域観光を“面”で設計できるのが強み。高級ホテルの開業ラッシュで客単価と滞在を伸ばせる。百貨店や旅行(KNT-CT)との連携で、収益の“重層化”が効きます。
浜田:次世代エネルギーの“関西発”も。
田嶋:ペロブスカイト太陽電池。積水化学工業(4204)、カネカ(4118)。
“薄く・曲がる”から、壁や窓が発電面になる。
再開発やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)義務化と相性が良い。都市×省エネ×意匠の三拍子です。
浜田:データセンターは“影の主役”の連鎖も。
田嶋:回線・電力・用地の三点セットに、非常用電源・空調・冷媒・防災。
EPCの受注から引渡しまで売上計上の山が後ろズレするので、四半期の段差を“怖がらない”投資家ほど、旨みを拾いやすい。
トレードノート:時間軸と感応度を整理する
田嶋:
- 時間軸を分ける(短期=政策・会合ヘッドライン/中期=再開発・開業のマイルストーン/長期=技術・規制・量産段階)
- フロー重視(受注残・キャッシュフロー・バックログ)
- 金利感応度の棚卸し(金融・不動産・公益の配合を意図的に)。
浜田:すごく実務的。ありがとうございます。
田嶋:関西は“政策×街×デジタル”の三層が同時進行。テーマが途切れにくいのが魅力です。
まとめ:高市財政の“責任”と、関西テーマの“継続”

- 「責任ある積極財政」は、短期の拡張というより制度の健全化×名目フローに軸足。
- 日銀は基調的インフレ3指標をよりどころに、言葉の整合性を重視した慎重運転。
- 関西は副首都構想×再開発(うめきた2期/なにわ筋線)×データセンターの三層でテーマが続く。
- セクターは、**金融(りそなHD)→インフラ・不動産(阪急阪神/近鉄GHD)→次世代エネルギー(積水化学/カネカ)**の“梯子”で捉えるとブレにくい。
- ファンダはフローで追い、金利感応度をポートフォリオで調整。
フィリップ証券で“会話できる投資”を
投資判断の前に、状況を日本語で整理してくれる相手がいるか――それが長続きの分かれ目。
フィリップ証券なら、対面サポートとオンラインの両輪で国内外の株式・債券・私募投資まで伴走。
ライフイベントや相続まで、ユア・パートナー・イン・ファイナンスとして最適な一歩をご提案します。
(リスク等:価格・金利・為替・信用などの変動により、損失が生じる場合があります。契約締結前交付書面をご確認ください)
💡 MT5でFX・CFDを“本気で”始めたいあなたへ
「もっと分析に強い環境が欲しい」「自動売買に挑戦したい」そんな想いが出てきたら、MT5の出番です。
フィリップ証券なら、日本語サポートつきでMacでもOK。安心してステップアップできます。
もちろん口座開設は完全無料。
初心者の方も、経験者の方も、ぜひ一度チェックしてみてください。
