地方取引所の逆襲と、東南アジアで“バズる”日本の古着——資本とモノの「価値の再配置」を聴く
番組概要
番組名:ファイナンシャル・ジャーニー
放送日時:毎週木曜日 8:30〜8:49
放送局:ラジオNIKKEI第1(radikoタイムフリー対応)
提供:フィリップ証券
出演者:
脇本 源一(フィリップ証券 取締役 常務執行役員/投資銀行本部長)
門倉 貴史(エコノミスト/BRICS経済研究所 代表)
進行:浜田 節子

「わかる、かわる」をキーワードに、まるで世界を旅するようにマーケット全体の動向、アジア・アメリカを中心とする国際情勢、様々な金融商品の特徴まで、その日の取引に役立つ幅広い情報を、各分野の専門家が解りやすく解説します。
投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」2025.10.23放送
パーソナリティは浜田節子
コメンテーターは矢頭 憲介氏(大阪証券取引所 デリバティブ市場営業部)、長森 大茂氏(フィリップ証券 法人統括本部)

はじめに:今週の聴きどころ
今週は前半で地方取引所の歴史と復権を、後半で東南アジアで沸騰する「日本の古着」需要を特集。
どちらにも「価値の再配置」という共通項が通底します。
中央から地域へ、国内から海外へ——視点をずらすだけで投資の景色が変わる。そんな“旅の地図”を、番組の臨場感を残しつつ要点化しました。
地方取引所は“予備市場”に非ず

—脇本 源一さんと描く「地域×上場」の最前線
浜田「今日は、地方取引所の歴史と今後の発展可能性がテーマです。上場維持基準の厳格化を受けて、重複上場や地方取引所での新規上場が増えているという話題から……この流れ、続きますか?」
脇本「鍵は“歴史”。戦後、東京・名古屋・福岡・札幌に加え、仙台・新潟・静岡・京都・大阪・神戸・広島……合計11の取引所が再開し、地域の資金調達の要だったんです。
その後はITの進展と経済の東京集中で役割が先細り。“地方不要論”の時代に入りました。」
浜田「たしかに、電子化が進めば“場所”の意味は薄れますよね。」
脇本「ところが1999年頃のITバブルで、マザーズ/セントレックス/Q-Board/アンビシャスといった新興市場が誕生し、いったん反転。
ただ、その後の崩壊で**地方の“暗黒期”**に。上場社数は伸び悩み、東京一極化が進みました。」
浜田「そこからどう巻き返したんでしょう?」
脇本「コロナ禍の構造変化です。リモートワークが常態化し、“本社は東京でなくてもいい”。
地方で生まれて地方で伸びる企業が増えています。
さらに東証の上場維持基準の厳格化が追い風になり、地方取引所の相対価値が上がった。」
浜田「最近よく聞く“段階上場”とは?」
脇本「たとえば東京プロマーケット → 地方取引所 → 東証という段階的な上場ロードマップ。
重複上場でのリスク分散も合理的です。“地方の時代”はすでに始動していると見ています。」
地方取引所の成功条件:
“別コンセプト”で並立する
脇本「注意点もあります。“東証の予備校”に甘んじると価値は薄れます。
東証=世界で選ばれる日本代表市場、一方で地方は“地域資本循環をデザインする市場”として別コンセプトで並立すべきです。
具体的にはローカルIRの仕組み化、地銀・信金・地場VCとの連携、非上場期からの伴走支援……**“地域で回る資本の循環”**を可視化できると、中小企業の底上げに直結します。」
▶ 企業サイドのアクション
- 段階上場(Pro→地方→東証)で開示・ガバナンス・IRの筋力を順に鍛える
- 重複上場で上場維持基準や流動性のリスク分散
- 地域金融×自治体×大学と**“資本と人材の地産地消”**を設計
▶ 投資家サイドの見どころ
- 地方上場の新顔&重複上場に資金流入の初動が出やすい
- “会いに行けるIR”(工場見学・地元イベント)で一次情報の厚みを確保
- 流通株比率・出来高の継続性など需給KPIを要監視
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東南アジアで“日本の古着”が選ばれる理由

—門倉 貴史さんが解説する「USED IN JAPAN」の価値
浜田「後半は**東南アジアで大人気の“日本の古着”**について。
国内ではファストファッションが浸透して古着価格は上がりにくい一方、海外では高評価だとか?」
門倉「はい。キーワードは**“USED IN JAPAN/CHECKED IN JAPAN”。
丁寧な使用文化、縫製の良さ、型崩れの少なさが、高温多湿の東南アジアでも長持ちします。
さらに円安で“品質に対して割安”という印象が強い。
結果として輸出は年22万トン規模**、輸入の約1万トンを大幅に上回る“輸出超過”です。」
浜田「特に人気の国は?」
門倉「タイです。サイズ感が合う、“キロ売り”の販売スタイル、サステナブル志向、日本文化・アニメ人気の後押し……が噛み合っています。
たとえば**バンコクの『新宿アウトレット』では“1kg=1,000円”**の量り売りが話題。
トレジャーファクトリーは2016年進出後、**売上が年率30%**で拡大。ワットマン、セカンドストリート、ワールドの『ラグタグ』、コメ兵/エコリング/ハードオフなど、日本勢の出店が続きます。」
浜田「アニメTや日本語ロゴの服も売れているそうですね。」
門倉「ONE PIECE/ドラゴンボール/NARUTOなどキャラTは定番。
日本のチェーン店制服モチーフも“目に見える日本”として人気。日本風街並みの再現施設も増え、**“憧れ×実需”**が相乗効果を生んでいます。」
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投資家の視点(上場企業・非上場含む)
- 海外売上比率の伸長、同店売上/在庫回転/粗利率/販管費率の改善トレンド
- フランチャイズ/JVのロイヤリティ設計と投資回収年数
- 円相場と仕入価格・在庫評価の感応度分析(円高反転時の耐性)
テーマを貫く一本線:「価値の再配置」
- 資本の再配置:地方取引所が地域資本循環のハブとして再起動
- モノの再配置:日本の中古衣料が東南アジアの新しい消費価値に転化
どちらも“中央→地方”“国内→海外”へと視点をずらすことで、投資の入り口が拓けます。
構造テーマは景気循環を超えて効く——これが今週の肝です。
✅ 今週の投資メモ
- 段階上場は企業の筋トレ:Pro→地方→東証で開示・IR・統治を段階強化
- “会いに行けるIR”で情報優位:地元イベント・見学で一次情報の厚み
- 中古×海外=長期テーマ:サステナブル需要+円安の相対割安の組み合わせ
✔ 全体まとめ
- 地方取引所は“予備市場”を超えて、別コンセプト市場としての進化が勝負。
- 上場維持基準の厳格化はリスクではなく分散と段階上場の好機。
- 日本の古着輸出は品質・文化・サステナブル・為替が作る構造的な追い風。
- 個人投資家は、地方IRの一次情報とリユースKPIで優位性を取れる。
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