ラジオNIKKEIで放送中の投資情報番組『ファイナンシャル・ジャーニー』。
毎週木曜日の朝に、旬のマーケットニュースや投資テーマを深堀りし、リスナーに分かりやすく伝えてくれる人気番組です。
今回(2025年9月4日放送)は、前半にフィリップ証券リサーチ部長・笹木和弘さんを迎え、J-REITと新たな投資テーマ「上場インフラファンド」について解説。
後半は山中康司さんが登場し、ドル円相場・アメリカの雇用統計・日銀の利上げ見通しまでを縦横無尽に語りました。
この記事ではラジオトークの臨場感を活かしつつ、投資のヒントを整理してお届けします。
番組概要
番組名 :ファイナンシャル・ジャーニー
放送日時:毎週木曜日 8:30~8:49
放送局 :ラジオNIKKEI第1
提供 :フィリップ証券
出演者 : 笹木和弘(フィリップ証券リサーチ部長) 山中康司(アセンダント取締役)
司会 :浜田節子

「わかる、かわる」をキーワードに、まるで世界を旅するようにマーケット全体の動向、アジア・アメリカを中心とする国際情勢、様々な金融商品の特徴まで、その日の取引に役立つ幅広い情報を、各分野の専門家が解りやすく解説します。
投資がわかると意識がかわる!「ファイナンシャル・ジャーニー」2025.09.18放送
パーソナリティは浜田節子
コメンテーターは門倉 貴史氏(エコノミスト/BRICs経済研究所代表)、永堀 真氏(フィリップ証券 代表取締役社長)

🎙 オープニング
浜田節子:
「ファイナンシャル・ジャーニー。このコーナーは“わかる、変わる”のフィリップ証券の提供でお送りします。ユアパートナー・イン・ファイナンス。さて、ここからはフィリップ証券リサーチ部長の笹木和弘さんにお話を伺います。笹木さん、おはようございます」
笹木和弘:
「おはようございます。よろしくお願いいたします」
浜田:
「よろしくお願いします。前回までは上場不動産投資信託、いわゆるJ-REITについてお話を伺いましたが、最近は新しい動きが相次いでいるようですね」
📈 NTTデータ系のデータセンターREIT、なぜシンガポール上場?

笹木:
「はい。注目すべきは、NTTデータグループのデータセンター事業に投資するREITです。7月14日にシンガポール証券取引所に上場しました。関係者によれば分配金利回りは7%台後半と高水準が見込まれています」
浜田:
「どうして日本の取引所ではなく、シンガポールに上場したのでしょう?」
笹木:
「日本では、今年6月に金融庁がデータセンター施設の一部をREIT対象に組み入れることを認めましたが、まだ規制緩和は不十分なんです。加えて、海外資産を組み入れる際の制度上のハードルも大きい。一方、シンガポールはデータセンター特化型REITの上場実績があり、海外資産の組み入れが容易でした」
浜田:
「シンガポール市場は国を挙げて株式市場の活性化に取り組んでいますね」
笹木:
「そうなんです。プライマリー上場に対する法人税20%の還付制度や、シンガポール金融管理局が設けた株式市場開発プログラムなどが追い風になりました。NTTデータREITの上場はシンガポールにとっても久しぶりの大型案件。国家的なプロジェクトといえるでしょう」
💡 日本投資家が注目すべき「上場インフラファンド」
浜田:
「残念ながら日本の投資家は、今のところ国内証券会社を通じてNTTデータREITに投資できませんよね」
笹木:
「はい。ただ、国内にも類似した商品があります。それが“上場インフラファンド”です」
浜田:
「具体的にはどんなものなんですか?」
笹木:
「太陽光や風力などの発電設備、水力発電、あるいは道路や空港の運営権といったインフラ資産に投資します。現在5銘柄が東証に上場していて、9月3日時点の会社予想ベースでは分配金利回りが約6.9〜7.6%と高水準です」
📉 下落局面と改善の兆し
浜田:
「でもインフラファンドは過去に大きく値下がりした時期もありましたよね?」
笹木:
「ええ。2022年10月末に指数は1200ポイントを超えていましたが、2025年4月には579ポイントまで下落しました。要因は日銀の利上げ懸念や、太陽光パネルのリサイクル義務化報道。そして、利益超過分配金を出し過ぎているとの懸念でした」
浜田:
「なるほど。それが最近は反発しているんですね」
笹木:
「はい。政府がリサイクル制度の創設を断念し、各ファンドが利益超過分配を抑制し、純利益ベースの分配に移行している点が評価されています。さらに、固定価格買い取り制度(FIT)依存から、プレミアム上乗せ制度(FIP)や企業向け電力購入契約(PPA)へ移行する動きも出ています」
浜田:
「収益の安定化に向けた改善ですね」
笹木:
「加えて、出力制御の問題を解決する大規模蓄電池の普及も注目されていますし、法人税免除の特例措置の延長など税制面の支援もポイントになるでしょう」
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浜田:
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📊 ドル円は“夏休み相場”を抜け出すか

浜田節子:
「さて、ここからはアセンダント取締役の山中康司さんにお越しいただきました。山中さん、おはようございます」
山中康司:
「おはようございます。よろしくお願いいたします」
浜田:
「現在ドル円は1ドル148円台前半で推移していますが、足元の相場をどうご覧になりますか?」
山中:
「8月は本当に動きが少なくて、146円台後半でドルを買って148円台半ばで売る──そんな往復取引ばかりでした。いわゆる“夏休み相場”ですね。ただ9月に入って日銀副総裁の発言や自民党幹部の辞意表明などをきっかけに円安方向に動きました」
浜田:
「でもすぐに押し戻されましたね」
山中:
「はい。148円台後半から149円にかけては強い壁があります。テクニカル的には一旦達成感が出てしまったように見えます」
📉 アメリカ雇用統計の注目点
浜田:
「今週はアメリカの雇用統計が控えています。市場の注目は高いですね」
山中:
「そうですね。失業率は最良期(2023年の3.4%)から約1%悪化し、今は4.3%。非農業部門雇用者数もかつての20~30万人増から、いまや数万人増が当たり前になっています。徐々に景気後退を示唆する動きになってきています」
浜田:
「景気の底堅さが続いてきましたが、そろそろ転換点かもしれませんね」
山中:
「はい。もし統計が弱ければ、雇用者数がマイナスになる可能性すらあります」
📈 インフレとFOMCの行方
浜田:
「一方でインフレは依然として高止まりしていますね」
山中:
「はい。総合CPIは5月の2.3%から7月には2.7%、今回は2.9%が予想されています。インフレ再燃の兆しが出ているんです。FRBとしては難しい局面で、雇用は悪化しているのに物価は下がらない」
浜田:
「次のFOMCはどう動くでしょうか?」
山中:
「市場は9月の0.25%利下げを9割方織り込んでいます。年内2回、もしくは3回の利下げという見方も強いです。ここで利下げしなければ“また遅れた”と批判されるでしょうから、今回は動かざるを得ないでしょう」
💴 日銀の利上げシナリオ
浜田:
「一方の日銀は、年内利上げ観測が出ていますね」
山中:
「はい。10月に動くとの見方が優勢ですが、仮に10月でなくても年内にはあるでしょう。政策金利を0.75%まで引き上げるシナリオもあります」
浜田:
「アメリカが利下げ、日本が利上げ──となると、日米金利差は縮まりますね」
山中:
「そうです。現在は大きな金利差がありますが、4か月ほどで0.75%縮小すると、これは円高要因になります。中期的には145円をニュートラル水準とみるべきでしょう」
🌕 “皆既月食アノマリー”も?
浜田:
「週末は皆既月食がありますが、山中さん、為替との関係で面白い話をされていましたね」
山中:
「はい。昔から言われているアノマリーですが、日食はドル買い、月食はドル売りと言われます。今回の皆既月食はドル売り要因…まあ半分冗談ですが、相場はちょっとした材料でも動きますから」
浜田:
「なるほど(笑)。雇用統計の結果と重なれば、意外と相場を動かすきっかけになるかもしれませんね」
山中:
「はい。個人的には、週末はドル安方向に振れるのではと見ています」
✅ 放送内容のまとめ

✔ 前半:笹木和弘さん(フィリップ証券リサーチ部長)
- NTTデータ系データセンターREITがシンガポールに上場 → 国内制度より柔軟な規制・税制優遇・市場活性化策が背景
- 日本投資家にとっての代替は「上場インフラファンド」 → 太陽光・風力・水力・インフラ運営権を投資対象 → 分配金利回りは概ね7%前後と高水準
- 下落要因と改善 → 金利上昇懸念、太陽光パネルリサイクル義務化、利益超過分配金の乱用 → 制度見直し・純利益ベースへの移行・FIP/PPA転換・蓄電池導入で改善
✔ 後半:山中康司さん(アセンダント取締役)
- ドル円は148〜149円に壁、145円がニュートラル水準
- 米雇用統計 → 景気後退シグナルに注目、弱ければドル安要因
- FRB → 9月利下げがほぼ確実、年内さらに2〜3回の利下げ観測
- 日銀 → 年内利上げの可能性大、日米金利差縮小=円高要因
- 皆既月食アノマリー → “月食はドル売り”とされ、イベント重なりで材料視される可能性も
✔ 投資家へのヒント
- 高配当インカム狙いならJ-REITだけでなく「上場インフラファンド」を比較対象に
- 分配の“質”をチェック(利益超過依存か、純利益ベースか)
- 為替は“短期=イベントドリブン、長期=金利差の構造変化”で考える
- 秋以降は米利下げ×日銀利上げのシナリオを意識
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