【TOBインサイダー取引の真実】グロース市場改革と映画デジタル証券が投資を変える!|ファイナンシャル・ジャーニー(2025年7月17日放送)

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【TOBインサイダー取引の真実】グロース市場改革と映画デジタル証券が投資を変える!|ファイナンシャル・ジャーニー(2025年7月17日放送)

ラジオNIKKEIで毎週木曜日8:30から放送される投資情報番組「ファイナンシャル・ジャーニー」

今週は、TOB(公開買付け)をめぐるインサイダー取引の実態と、東証グロース市場の改革という2つの重要テーマがじっくり語られました。

番組概要

  • 番組名:ファイナンシャル・ジャーニー
  • 放送日:2025年7月17日
  • 放送局:ラジオNIKKEI第1
  • 提供:フィリップ証券
  • 出演者:
    • メインパーソナリティ:浜田節子
    • コメンテーター:
      • 松本 弥紅 氏(東京証券取引所 上場推進部 調査役)
      • 脇本 源一 氏(フィリップ証券 取締役常務執行役員 投資銀行本部長)

本日のテーマ

  • TOBをめぐるインサイダー取引の背景と実態
  • 公開買付け(TOB)の仕組みと株価への影響
  • 東証グロース市場の改革と上場維持基準の見直し

番組では、TOB情報がなぜインサイダー取引の温床になりやすいのか、そして成長企業向け市場・グロース市場の未来像についてじっくり掘り下げました。

テーマ1:TOBをめぐるインサイダー取引

浜田: 「さて、最初のテーマはTOB、公開買付けをめぐるインサイダー取引です。先日、金融庁がインサイダー取引への課徴金を引き上げる方針を示しました。 脇本さん、そもそもTOB案件ではなぜインサイダー取引が増えやすいのでしょうか?」

脇本: 「大きく3つの理由があります。

1つ目は罰則が欧米に比べて緩いこと。
2つ目はTOB発表後に株価が上昇する確率が高いこと。
3つ目はTOBの準備期間が長く、関係者が非常に多いことです。

TOB案件は半年以上準備するのが普通で、買い手企業や対象企業だけでなく、証券会社、法律事務所、コンサル会社、印刷会社、金融庁や証券取引所まで多くの人が関与します。 そのため、理論上、情報漏洩のリスクが高くなるんです。」

浜田: 「関係者の多さがリスクになるんですね。準備期間中に情報が広がる可能性が高いということですか?」

脇本: 「そうです。TOBは水面下でかなり早い段階から話が動きます。 例えば、買い手企業が対象企業の大株主に接触する、TOBの価格を決めるために株価算定を依頼する、法務・財務のデューデリジェンスを行う…。 その度に多くの専門家や関係者が関わります。」

浜田: 「具体的にはどんな関係者が増えるんですか?」

脇本: 「例えば買い手企業の経営陣、対象企業の取締役、アドバイザリーを務める証券会社やM&Aコンサル、株価算定を行う第三者機関、印刷会社、広告代理店、さらに金融庁や証券取引所の審査部門まで…。
TOBが実施されるまでに最低でも数十人、多い案件では100人以上が関与すると言われています。」

浜田: 「そんなに多いんですか!それなら、どこかから情報が漏れるリスクは確かに高まりますね。」

脇本: 「はい。ですが誤解しないでほしいのは、インサイダー取引は意図的に行われるものだけではないということです。 たとえば、知人との雑談でつい情報を漏らしてしまい、それを聞いた第三者が勝手に株を買ってしまう、というケースもあるんです。」

TOBで株価が上がる理由

浜田: 「では、そもそもなぜTOB発表後は株価が上昇するんでしょうか?」

脇本: 「TOBでは市場価格より高い“プレミアム価格”を提示することが多いからです。 たとえば現在1,000円の株をTOBで1,300円で買うと発表すれば、当然市場株価はそのTOB価格に近づきます。 これを“さや寄せ”と言います。」

浜田: 「なるほど、市場はTOB価格に寄せる動きをするんですね。」

脇本: 「はい。そしてTOBに応募した株主は、プレミアム価格で売ることができます。 だから、『事前にTOB情報を知っていれば儲かる』と考える人が出るわけです。」

インサイダー取引のリスクと現実

浜田: 「でも、発表前に株を買えば必ず儲かるわけではないですよね?」

脇本: 「その通りです。TOB計画が途中で頓挫するケースもありますし、TOB後に必ずしも株価が思惑通り動くとは限りません。 それに、直前に大量の買いが入れば取引履歴ですぐ目立ち、当局に捕捉されるリスクが高いです。」

浜田: 「つまり、やはり正攻法で発表後に判断するのが一番安全で確実なんですね。」

脇本: 「はい。TOBは対象企業にとって大きな転換点です。
新しいオーナーのもとで業績改善が進むのか、上場廃止に向かうのか、買収企業の戦略はどうか…。
こうした情報が正式に開示された後で分析し、冷静に投資判断をするのが基本です。」

投資家が注目すべきポイント

  • TOB案件は発表後に条件とスケジュールを確認するのが基本
  • 上場廃止の可能性もあるので、エグジット戦略を必ず考える
  • 買収後の企業価値向上や業績改善が期待できるかを分析する
  • TOB価格と市場株価の“さや”がどの程度あるかで短期戦略も可能

浜田: 「具体的には、TOB発表後にどんな情報を見ればいいですか?」

脇本: 「TOBの買付価格・期間・買付予定株数・買収後の方針が重要です。 特に、TOB後に上場廃止予定かどうかは大きなポイントです。上場廃止になれば流動性がなくなるので、TOB価格で売るのが基本戦略になります。」

浜田: 「逆に上場維持の場合は、TOB後に企業がどう変わるかが注目されるわけですね。」

脇本: 「そうです。買収後の経営改革やシナジー効果で業績が改善するなら、TOB後に株価がさらに上昇するケースもあります。 ですから、TOBをきっかけに企業のビジネスモデルを再評価するチャンスとも言えます。」

TOBの種類と投資スタンス

浜田: 「TOBにも種類があると聞きますが?」

脇本: 「はい。大きく分けると、経営権を取得するための買収型TOBと、持分比率を引き上げるための資本政策型TOBがあります。

買収型は業績不振の企業を立て直す狙いが多いので、事業再編や経営統合が伴うケースが多いです。 資本政策型は、親会社が完全子会社化する場合などが代表的です。」

浜田: 「投資家としてはどちらがチャンスになりやすいですか?」

脇本: 「ケースバイケースですが、買収型はシナジー効果で成長余地が生まれる可能性があります。 一方、完全子会社化のTOBはTOB価格が事実上の上限になるので、TOB価格で売却する短期戦略が基本です。」

浜田: 「なるほど、TOBにも投資スタンスの違いがあるんですね。」

脇本: 「はい。TOBはニュースとして注目されますが、短期売買だけではなく、買収後の企業の将来性に着目する中長期投資のチャンスにもなります。

ヴェストラ

TOBにも、いろんなタイプがあるんだ

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テーマ2:東証グロース市場の改革

浜田: 「続いてのテーマは、東証グロース市場の改革です。2022年の市場区分再編から2年以上が経ちましたが、最近“上場維持基準が厳しくなる”というニュースが話題です。 松本さん、そもそも今回のグロース市場改革はどのような背景から始まったのでしょうか?」

松本: 「はい。もともと2022年4月に市場区分をプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編しました。 プライム市場はグローバルな投資家を意識した大企業向け、スタンダード市場は一定の企業規模を維持する安定企業向け、そしてグロース市場は“高い成長を目指す企業が集う市場”というコンセプトで作られました。」

浜田: 「なるほど。グロース市場は言わばスタートアップや新興企業向けなんですね。」

松本: 「その通りです。ところが、実際には成長性が低下したり、時価総額が伸び悩む企業も多く存在しているのが現状です。 これでは“成長企業向け市場”というコンセプトが投資家から疑問視されかねません。」

浜田: 「そこで維持基準を引き上げる改革が必要になったんですね?」

松本: 「はい。現在の維持基準は“上場10年経過後に時価総額40億円以上”なのですが、これを上場5年経過後に100億円以上とする案が検討されています。 つまり、上場後の早い段階から一定の成長性を示せる企業でなければ、グロース市場には残れないという考え方です。」

浜田: 「10年から5年へ、そして40億円から100億円へ…。確かにかなり引き上げられる印象です。企業にとっては負担が大きくないですか?」

松本: 「厳しいと感じる企業もあるでしょう。ただ、今回の改革は企業を追い出すためではなく、市場の質を高めるための改革です。 投資家が安心して成長株に投資できるようにするには、一定の成長スピードを示す必要があります。」

浜田: 「つまり、“成長市場”の看板にふさわしい企業だけが残るイメージですね。」

松本: 「そうです。そして適用は2030年以降ですので、すぐに影響するわけではありません。移行期間を設け、企業がしっかり成長計画を立てられるよう支援もしていきます。」

改革のポイントは3つ

  • IPO前の啓発強化 上場後の高い成長を実現するため、IPO前から東証が企業に必要な情報を提供。
  • 上場後の成長戦略のブラッシュアップ 事業計画や成長可能性の具体性を求め、投資家への説明責任を強化。
  • 維持基準の見直し 上場5年経過後、時価総額100億円以上を目安に。未達の場合はスタンダード市場への移行も可能。

浜田: 「企業側にとっては、上場後の成長スピードを求められる改革なんですね。でも、もし基準を満たせなかったらどうなるんですか?」

松本: 「まずは成長計画の提出や追加猶予期間の設定が可能です。それでも達成が難しい場合は、スタンダード市場への移行が選択肢になります。 つまり、ただ“上場廃止”という極端な話ではなく、企業がそのステージに合った市場で存続できる仕組みです。」

浜田: 「なるほど、柔軟な移行も考えられているんですね。では、投資家にとってはどんなメリットがありますか?」

松本: 「投資家目線で言えば、市場の信頼性が高まることが最大のメリットです。グロース市場が“名ばかり新興株”の寄せ集めではなく、本当に成長を目指す企業の集団になることで、投資の選択肢としてより魅力的になります。」

浜田: 「確かに、投資家としても“成長する見込みのある企業”を見つけやすくなりますね。では、逆に企業にはどんな影響が?」

松本: 「企業側にとってはプレッシャーにもなりますが、成長戦略を改めて見直すきっかけになります。資本市場を通じた成長資金の調達もしやすくなり、結果的に企業価値の向上につながると考えています。」

2030年以降のグロース市場の姿

浜田: 「2030年以降、グロース市場はどう変わると予想していますか?」

松本: 「よりコンパクトで質の高い市場になると思います。今は上場企業数が多いですが、成長意欲のある企業に絞り込まれることで、投資家にとっても“選びやすい市場”になります。 逆に、スタンダード市場には安定成長型の企業が集まり、役割分担がより明確になるでしょう。」

浜田: 「つまり、投資家も企業もそれぞれの成長ステージに合った市場が選べるようになる、ということですね。」

松本: 「そうです。そして私たち東証としては、単に基準を上げるだけでなく、企業の成長支援や投資家との対話の場を提供し、長期的に日本の資本市場を活性化させていくことを目指しています。」

まとめ|投資家が学べるポイント

  • TOBは対象企業の大きな転換点。短期ではなく買収後の成長性に注目
  • グロース市場改革で成長株の選別が進む
  • 映画デジタル証券は推し活と投資を融合させた新しい形

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