【2025年版】トランプ関税が日本を直撃?円安・半導体・自動車への影響を徹底解説|ファイナンシャル・ジャーニー(2025年7月10日放送)


目次

【2025年版】トランプ関税が日本を直撃?円安・半導体・自動車への影響を徹底解説|ファイナンシャル・ジャーニー(2025年7月10日放送)

🎙 番組概要

  • 番組名:「ファイナンシャル・ジャーニー」
  • 放送日時:2025年7月放送(木曜 8:30~8:49)
  • 放送局:ラジオNIKKEI第1
  • 提供:フィリップ証券
  • 出演者:三角 友幸さん(フィリップ証券 リサーチ部)/山中 康司さん(アセンダント取締役)

🎧 今回のテーマ:「トランプ関税の影響を読み解く」

浜田節子(パーソナリティ):
「さて、今回はアメリカ・トランプ政権による新たな関税政策がテーマです。日本にも25%の課税通知が届いたとのことで、非常に注目度の高い内容となっています。解説はフィリップ証券リサーチ部の三角 友幸さんです。三角さん、おはようございます」

三角 友幸(フィリップ証券 リサーチ部):
「おはようございます。よろしくお願いいたします」

浜田:
「まず、今回の関税措置ですが、なぜ“インフレにならない”という考え方がトランプ政権にはあるのでしょうか?」

三角:
「トランプ政権は、“最適関税理論”という古典的な経済学の考え方に基づいて動いている節があります。これは、価格決定力を持つ経済大国が関税を導入することで、輸入品価格をある程度抑制しつつ、自国の厚生=国民の福利を最大化できるという理論です」

浜田:
「アメリカは“消費大国”であり“価格支配力”がある、という前提があってこそ成立する理論ということですね?」

三角:
「その通りです。この理論では、アメリカが関税をかければ、相手国は通貨切り下げや輸出補助金などを通じて、価格を維持せざるを得ない。結果的にアメリカ国内の輸入価格は上がらず、むしろ関税収入を国民に還元できるという構図が成り立つとされます」

浜田:
「ですが、現実には輸出国側の生産効率や収益構造にも影響がありますよね?」

三角:
「おっしゃるとおりで、この理論には大きな前提がありすぎるとも言えます。比較優位の原則を無視したこの理論では、各国が本来得意とする分野に特化して生産・輸出するという効率性が無視されてしまいます。結果的に、世界経済の成長機会を奪ってしまうことにもなりかねません」

浜田:
「つまり、短期的にはアメリカ国民に恩恵があっても、長期的には消費の持続性を失う可能性もあるということですね」

三角:
「そうですね。生産が非効率なまま維持されると、その歪みが中長期的に消費を圧迫し、成長も鈍化します。また、企業投資や雇用にも悪影響を及ぼすリスクがある。こうした点を軽視したまま、関税政策だけで経済を動かそうとするのは危険です」

浜田:
「FRB(米連邦準備制度理事会)の政策スタンスにも影響が出てくるのでは?」

三角:
「はい。実際、トランプ政権からは“景気減速を理由に利下げせよ”という圧力が強まっているのですが、FRBはあくまで独立機関であり、短期的な政治的意図には左右されない立場を保っています。パウエル議長も、経済指標を冷静に見極めると繰り返し発言しています」

浜田:
「景気指標の“見極め”という点では、どのような点が重視されているんでしょうか?」

三角:
「インフレ指標と労働市場ですね。たとえば、コアPCE(個人消費支出価格指数)や雇用統計などが鈍化傾向にあれば、利下げの根拠となりますが、反対にインフレが粘着質で下がらなければ、利下げには慎重にならざるを得ません」

浜田:
「マーケットは“予防的利下げ”を織り込んでいるようにも見えますが?」

三角:
「そこが難しいところです。金融政策の効果には“タイムラグ”があるため、利下げを急ぎすぎれば逆にインフレ圧力を再燃させるリスクもあります。中央銀行の最大の役割は“物価の安定”であり、短期的なマーケットの期待に応じて動くべきではありません」

浜田:
「つまり、景気減速に見える現象も“本格的な後退”とは限らないという見方もある?」

三角:
「まさにそこが重要な視点です。現在の減速が一時的な調整局面なのか、構造的な減速なのかによって、取るべき政策は変わります。もし単なる在庫調整や需給ギャップによる一時的な鈍化であれば、安易な利下げはむしろ副作用を大きくする恐れがあります」

浜田:
「非常に奥が深いですね。それでは、半導体のような先端分野ではどうでしょうか? アメリカがどんどん国内回帰を進めているという話も聞きますが」

三角:
「はい、アメリカでは“CHIPS法”を背景に、先端半導体の生産拠点を国内に戻す動きが加速しています。特に台湾のTSMCや韓国のサムスンが、アリゾナ州などに新工場を建設しているのは象徴的ですね」

浜田:
「日本企業も部材や製造装置の面で関わっている部分もありますよね?」

三角:
「そうです。たとえば半導体製造装置メーカーや素材メーカーの中には、アメリカの工場向けに直接納品している企業もあります。一方で、競合も多く、たとえばアプライドマテリアルズやラムリサーチなど米国企業が強い分野もあり、日本企業にとっては“好機であり脅威”という両面があります」

浜田:
「トランプ政権の関税政策は、こうした先端分野の国際競争にも影響を与えるということでしょうか?」

三角:
「おっしゃる通りです。アメリカが『自国でつくる』方向に舵を切れば、輸出依存型の企業は厳しくなります。また、政府補助金や規制の仕方によっては、日本企業が“高コストな部品提供先”として敬遠される可能性もあります。したがって、日本としては単に技術だけでなく、コスト競争力・サプライ体制の強化も求められる段階に来ています」

浜田:
「なるほど、政策と産業構造の変化がリンクしているわけですね。では、このあとの後半では、為替やマーケットの実際の動きについても山中康司さんと一緒に見ていきましょう」


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浜田:
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💱 円安と関税、為替市場の反応

浜田:
「さて、ここからは為替の視点で見ていきましょう。山中康司さん、よろしくお願いします」

山中康司(アセンダント取締役):
「よろしくお願いします。今回の関税政策発表を受けて、市場では当初“トリプル安(株安・円安・債券安)”といった動きが見られました。ですが、その後は落ち着きを取り戻しており、株価は持ち直し、為替市場ではドル円が一時147円台まで円安が進む場面もありました」

浜田:
「ドル円が上昇した背景には、米金利の動きも関係していたんですね?」

山中:
「ええ、特に米10年債利回りが4.4%台から4.3%台へと下がる局面では、ドル買いが一服する場面も見られました。為替市場ではこうした金利との連動が非常に強く、短期的な投機的動きも含めて、今はレンジ感が強まっている印象です」

浜田:
「関税発動が予定される8月1日までは、様子見が続くという見方でしょうか?」

山中:
「はい。表向きは決定された関税率でも、実際には水面下で調整が続いているとみられます。特に日本は25%が通知された一方で、EUやインドなどの関税率はまだ明らかにされておらず、“本当にこのまま適用されるのか?”という見方もあるのです」

浜田:
「自動車分野への影響も大きいですよね」

山中:
「そうです。日本の対米輸出は約1,400億ドル、そのうち自動車だけで約500億ドルを占めています。アメリカとしては、自動車への関税を“カード”として使いたい側面もありますが、日本としては個別交渉に応じてもらえず難しい立場にあります」

浜田:
「米国は税制の減税も行っていますが、その財源として関税を使うという話もありますね?」

山中:
「ええ。税制改革による歳入減を関税収入で補うという構図ですが、それは同時に物価の上昇=消費の抑制にもつながりかねません。実際、3月には自動車の駆け込み需要で販売が急増したというデータも出ています。これは消費者が価格上昇前に買っておこうと動いた証拠とも言えます」

浜田:
「こうした動きが長期的にはどんな影響を与えるのでしょうか?」

山中:
「短期的には消費の先食い、長期的には購買意欲の冷え込みですね。また、GDP成長率への影響としては、アメリカが0.5〜1.0%減、日本でも0.3〜0.8%減といった予測が出ています。これは来年以降、実体経済に表れてくるでしょう」

浜田:
「株式市場や為替市場ではどう見ておけば良いでしょう?」

山中:
「株式市場はアメリカが調整局面に入りやすく、日本株もその流れに引っ張られるでしょう。ただ、為替に関しては今の水準、145〜147円あたりがレンジの中心とみています。今の水準はやや上限に近いという見方もできます」

浜田:
「そして、7月20日には日本の参院選もあります。こちらは相場に影響を与えるでしょうか?」

山中:
「一部では与党が過半数を割るのでは、という声もあります。ただ、ドイツやフランスのように少数与党で運営している国も多く、日本でも政策ごとに連携すれば大きな混乱にはならないでしょう。仮に政権交代が起きても、“石破退陣”などがポジティブ材料と受け取られる場面もあり、相場への影響は限定的になるかもしれません」


🧠 投資のヒントまとめ

  • トランプ政権の“最適関税理論”は経済大国ならではの戦略。だが、持続可能性には疑問も。
  • FRBは短期景気変動に左右されず、中立的な政策運営を維持する姿勢。
  • 自動車・半導体など製造業輸出の比重が大きい日本は、関税影響を強く受ける。
  • 円安基調は継続も、関税交渉の進展や世界景気次第では反転の可能性も。

🔚 まとめ|トランプ関税、そして投資家が備えるべきこと

  • トランプ政権の関税政策は、アメリカ国内での短期的な景気維持を狙ったものの、長期的には非効率と世界経済への悪影響が懸念される。
  • FRBは独立性を維持し、景気動向を冷静に分析して金融政策を判断する構え。
  • 為替はドル円で145〜147円のレンジを想定。自動車や半導体を巡る日米の交渉進展が焦点。
  • 日本の投資家にとっては、米中摩擦、円安、参院選など不確実性の高い夏に備えたポートフォリオ戦略が必要。

📻 本記事は2025年7月放送『ファイナンシャル・ジャーニー』(ラジオNIKKEI)に基づき構成されています。


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