今週のラジオNIKKEI「ファイナンシャル・ジャーニー」(2025年2月13日放送)

今週は、為替について!

※本記事は、プロモーションを含みます。


最近、ボラテリティが小さい為替市場について解説してもらいます。

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目次

株価の変動が大きく、為替の変動が小さい理由

今回の「ファイナンシャル・ジャーニー」では、フィリップ証券の工藤正剛さんをゲストに迎え、株式市場のボラティリティが高まり、外国為替市場のボラティリティが低下している理由について解説が行われました。

ヴェストラ

確かに為替は、レンジないですね

株価の変動が大きい背景

最近、米国の株価指数が高値を更新する中で、1日で10%以上変動することも珍しくない状況になっています。その主な要因として、

  1. S&P500の構成比率の変化
  • NVIDIAを含むビッグテック7社の影響力が拡大し、指数全体の3割を占める。
  • これにより、特定銘柄の急騰・急落が市場全体のボラティリティを高めている。
  1. レバレッジETFとオプション取引の影響
  • NVIDIAなどの個別銘柄に対し、値動きの2倍のパフォーマンスをターゲットにしたレバレッジETFの取引が活発化。
  • 1日限定のオプション取引も増加し、短期的な変動を増幅。
  • 一部の銘柄の値動きが連鎖的に広がり、市場全体のボラティリティが高まる。

これらの要因により、一部の個別株の変動が「バタフライエフェクト」のように市場全体へ影響を与え、短期的な雑音が増えていると分析されました。

バタフライエフェクトって?

バタフライエフェクト(butterfly effect)とは、小さな出来事が大きな出来事につながることを意味する言葉です。

【意味】
わずかな変化が予測不能な大きな変化を引き起こす
複雑なシステムにおいて初期条件のわずかな違いが最終的に大きな影響を与える
【由来】
気象学者のエドワード・ローレンツ博士が1972年にアメリカ科学振興協会で行った講演のタイトル「予測可能性:ブラジルの1匹の蝶のはばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」に由来するといわれています
【実生活への応用】
日常の些細な選択や行動の積み重ねが、将来的にどのような影響をもたらすか、より良い決定を下すことを意識する
短期的な結果だけでなく、長期的な影響を考慮し、持続可能な目標を達成するための新たな視点を持つ
予測不可能な変動に柔軟に対応できるようにすることで、バタフライエフェクトによる思わぬ困難に対処する
【ビジネスへの応用】
職場で私たちがやっていることは、いつかどこかで誰かのために何かに大きく影響している可能性がある
何気ない些細な小さな行動の先に、「爆発的に大きな変化の可能性が常に宿っているもの」だと考える

ヴェストラ

バタフライエフェクト、便利な言葉だね

浜田: 「さて、今回のテーマは『変動が大きい株価と、変動が小さい外国為替』ということで、工藤さん、最近の相場を見てどう感じていますか?」
工藤: 「浜田さん、昨年からマーケットの動きが大きくなりましたね。特に米国株なんかは、朝起きるたびに『えっ!』と驚くような変動が増えました(笑)」
浜田: 「確かに、昨年の新NISAで投資デビューした方は『こんなに動くの?』と驚いているでしょうね。」
工藤: 「そうなんです! たった1%の変動でも、指数が高値圏にあると、金額ベースではかなりの上下幅になります。例えば、NVIDIAなどのビッグテック株は特に影響が大きくて…」
浜田: 「S&P500の構成比率が変わったことで、少数の銘柄が市場全体を動かしているという話ですね?」工藤: 「まさにその通りです。現在、S&P500のビッグテック7社が全体の約3割を占めていますから、たった数社の変動が指数全体を揺るがしているわけです。」

ヴェストラ

いきなり洗礼浴びた人も多いかも

外国為替市場のボラティリティが低い理由

一方で、G7通貨の為替相場は昨年よりも落ち着きを見せています。

  1. 世界的な経済環境の不透明さ
  • どの国も積極的に通貨を買う理由が見当たらない。
  • 米ドルは堅調だが、高値警戒感が強く、買い続けるには慎重な姿勢が必要。
  1. ユーロの弱さ
  • ドイツの自動車産業の低迷やフランスの財政問題が影響。
  • イギリスではスター政権による大規模増税が懸念され、ポンドも不透明。
  1. カナダドルの例外的な変動
  • トランプ大統領の関税発言による影響で大きく下落。
  • ただし、他の主要通貨は安定しており、大きなボラティリティが見られない。

浜田: 「一方で、外国為替市場は落ち着いているようですが、その理由は?」
工藤: 「G7通貨の動きが鈍いのは、どの国の通貨も『積極的に買いたい』と思えるほど強くないからです。」
浜田: 「つまり、みんな様子見?」
工藤: 「そうですね(笑)。米国は経済指標が良好でドルは安定していますが、高値圏にあるため、今後のトランプ大統領の発言リスクを警戒する声もあります。ユーロはドイツ経済の低迷やフランスの財政不安、ポンドは増税の影響で伸び悩んでいます。」
浜田: 「カナダドルだけはちょっと違う動きをしていますね。」
工藤: 「はい、トランプ大統領の関税発言でカナダドルが大きく下がりました。ボラティリティが他のG7通貨より高いのはその影響でしょう。」

市場の動きが乏しい理由として、「積極的に買われる通貨がなく、消去法的に値動きが小さくなっている」と考察されました。

ヴェストラ

今はドルカナダが主役かも

投資家へのアドバイス

市場の短期的な変動に振り回されず、決算発表や財務状況をしっかりと分析することが重要と工藤さんは指摘。特に、企業業績に基づいた長期的な視点を持つことが、今後の投資戦略として求められます。

また、G7通貨の強弱を見る際のポイントとして、

ドル円を基準に、ユーロドル・ポンドドル・カナダドルの動きを比較する
各国の経済指標や政局の変化に注目する

といったアプローチを取ることで、より的確な投資判断ができると説明されました。

まとめ

  • 株式市場は一部の銘柄が市場全体に大きな影響を与える構造になっている
  • 外国為替市場は、どの通貨も積極的に買われる理由が乏しく、安定している
  • 短期的な値動きに惑わされず、業績や財務状況をしっかり分析することが重要
  • 為替市場の強弱を見極めるには、通貨ペアごとの比較が有効

次回の放送も、引き続き投資のヒントを提供してくれる内容に期待です。

フィリップ証券について、もっと知りたくなった人は下記まで。

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